簿記・会計

会計と簿記の違いは何?

悩む人
会計と簿記って何が違うの?

このような疑問をお持ちの方はかなり多いのではないでしょうか。

 

今回はこの疑問に対して具体的に解説したいと思います。

 

会計と簿記の違いは何?

 

会計と簿記の違いを解説する前にまず会計と簿記の定義を解説します。

 

簿記とは「企業活動を帳簿に記録すること」です。

 

会計とは「企業活動と関係者に対して報告すること、またはその一連のプロセス」です。

 

そして、簿記は会計の一部です。

 

会計と簿記を簡単に説明すると上記の通りになりますが、ここまでの説明を聞くと

 

悩む人
ということは簿記検定は会計の部分を勉強しないのかな?

 

と思う方がいらしゃると思いますが、そうではありません。簿記検定も会計の部分の勉強を行います。

 

簿記検定1級は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算が試験範囲となっており、財務諸表の分析なども問われます。

 

今回の記事の後半では会計と簿記についてもう少し詳しく解説いたします。

 

会計とは何か?

会計は中国からもたらされたとされていますが、その語源について詳しく解説いたします。

語源

会計という言葉は中国前漢の武帝の時代に歴史家である司馬遷によって書かれた「史記」に最初に登場したと言われています。

 

当初は会計ではなく「會計」という旧字体を使用しており、「會」は増大するという意味であり、「計」は言を正確にするという意味があります。

 

「史記」で初めて登場したのは「計は会なり」という言葉とされています。

 

「計は会なり」とはつまり「増大したものを正確に話すこと」です。

 

財務会計と管理会計

 

会計の定義は上記で述べた通り「企業活動を関係者に対して報告すること、またはその一連のプロセス」です。

 

その報告先によって会計は「財務会計」と「管理会計」に分けることができます。

 

財務会計は「企業外部の利害関係者へ会計情報を報告することを目的とする会計」です。

 

財務会計は主に社外の利害関係者が業績評価などを把握するために使用されます。

 

社外向けの情報であるため、会社のホームページや官報などで公表されていることが多いでしょう。

 

管理会計は「企業内部の経営管理者等に会計情報を報告することを目的とする会計」です。

 

管理会計は主に経営判断や業績評価などに使用されます。

 

管理会計の情報は企業内部に向けた情報であるため、機密情報として扱われることが多いでしょう。

簿記とは何か?

簿記についても上記で述べたように「企業活動を帳簿に記録すること」です。

 

簿記についても語源を解説いたします。

語源

簿記は単式簿記(比較的簡単に行えるお小遣い帳のようなもの)については古代ローマの時代にあったとされ、その他の国でも古代からの存在を確認されています。

 

一方、複式簿記(現在は簿記と言われたら一般に複式簿記を指す)は1494年に出版されたルカパチョーリの「算術、幾何、比及び比例要覧」(通称スムマ)が最古の文献とされています。

 

この簿記について日本で一般化されたのはしばらく後であり、明治6年ごろは「帳合」「帳簿」「簿記」と様々な言葉が使用されていました。

 

初期の簿記書は福沢諭吉の「帳合の法」であり、明治12年には簿記講習所が設立され簿記の教育が開始されたと言われています。

 

簿記という言葉が一般化されたのは明治20年ごろとされています。

 

単式簿記と複式簿記

簿記には比較的簡単な「単式簿記」と現在一般化している「複式簿記」という二種類に分けられます。

 

単式簿記とは「資金の受払を重視して記録・集計を行う記帳法」であり、複式簿記よりも比較的簡単に行うことができます。

 

複式簿記とは「全ての取引の二面性(原因と結果)に着眼して行われる記帳法であり、資産・負債・純資産・費用・収益に属した勘定科目で記帳する」ことを指します。

 

現在簿記と言えば複式簿記のことを指し、日本で行われている簿記検定は全て複式簿記の問題が出題されます。

 

経済活動による分類

簿記は経済活動によって商業簿記と工業簿記に分けることができます。

 

商業簿記とは「商品を仕入れて販売する会社で行う基本的な簿記」を指します。一般的な商店や商社など、工場を持たない会社で使用されており、簿記検定でも必ず出題される分野でもあります。

 

工業簿記とは「材料を仕入れて製造し、製品を販売するための簿記」を指します。主に材料費・労務費・経費から原価計算を行う簿記の手法であり、その他にもサービス業などで使用できる活動基準原価計算があり、様々な業態の会社で使用されています。

 

工業簿記は簿記検定2級から出題される範囲であり、簿記3級は商業簿記のみとなります。

 

その他にも農業簿記・漁業簿記・建設業簿記・銀行簿記・組合簿記など様々な簿記があり、様々な業態に対応した簿記が用意されています。

簿記は会計の一部

まとめ

簿記は会計の一部です

会計は中国からもたらされた手法であり、利害関係者に報告することを目的としています

簿記はイタリアからもたらされた手法であり、帳簿に企業活動を記帳する手法です。

 

  • この記事を書いた人

ミズサワ

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