「簿記を勉強するために電卓を買いたいけど何が良いんだろう」
「簿記検定で使える電卓はどれなのかな?」
簿記検定では電卓の使用基準が定められており、使えない電卓もあります。
本記事の筆者(シズ)
- 日商簿記1級を所持、資格の大原主催の簿記大会にて全国優勝
- 社会人として経理職・経営企画職を経験
本記事の内容
- 簿記検定で使える電卓の基準
- 簿記検定で使えるおすすめ電卓
- 電卓を選ぶ際の注意点
おすすめ電卓比較表
名称 | カシオ プロ用実務電卓 |
カシオ 本格実務電卓ピンク |
シャープ 実務電卓 CS-S952X |
シャープ 実務電卓EL-N942-X |
無印良品 KK-1154MS |
特徴 | 学校で使われている王道の電卓 | ピンクで可愛い電卓 | 大きめで押しやすい | 素早いタッチも認識 | シンプルな電卓 |
参考価格 | 6,829円 | 9,680円 | 4,872円 | 3,800円 | 990円 |
重さ | 210g | 210g | 245g | 202g | 150g |
サイズ | 普通 | 普通 | 大きめ | 普通 | 普通 |
表示桁数 | 12桁 | 12桁 | 12桁 | 12桁 | 12桁 |
メーカー | カシオ | カシオ | シャープ | シャープ | 無印良品 |
こういう人におすすめ | 安心して使いたい | 可愛い電卓が欲しい | 打ち間違えをしたくない | 長期間愛用したい | シンプルな電卓が良い |
※価格は需給の状況等により変動します。詳細は各ECサイト等をご覧ください
簿記検定に使えるおすすめ電卓
今回ご紹介する電卓は簿記検定・公認会計士試験・税理士試験どれにも使えるもので、人気の高い電卓をご紹介いたします。
CASIO 本格実務電卓 JS-20WK
基本情報
- 参考価格:6,829円
- 重さ:210g
- サイズ:174.5mm✖️107mm✖️24.2mm(普通サイズ)
- 機能:検算・税計算・メモリー機能
- 表示桁数:12桁
- メーカー:カシオ
カシオ本格実務電卓 JS-20WKの特徴
電卓の定番!高機能で安心
カシオ製の本格実務電卓は商業高校や各大学などでも販売されている定番商品です。
多くの会社でも使用されており、機能性・操作性・保証のどれを取っても高品質の電卓です。早打ちでもしっかり認識するキーロールオーバーや打ちやすさを追求してキーの形を変えているなど、徹底的に使用者のことを考えて制作されています。
電卓の王道とも言える商品ですが他の電卓と比べて価格が高く、これから本格的に勉強をしていく方におすすめの商品です。
CASIO 本格実務電卓JS-20WK-PK
基本情報
- 参考価格:9,680円
- 重さ:210g
- サイズ:174.5mm✖️107mm✖️24.2mm(普通サイズ)
- 機能:検算・税計算・メモリー機能
- 表示桁数:12桁
- メーカー:カシオ
カシオ本格実務電卓 JS-20WK-PKの特徴
女性人気が高い電卓
この電卓は先ほどご紹介した電卓のピンクバージョンであり、かわいいデザインと機能性の両方を持つ女性人気が高い電卓です。
カシオの本格実務電卓はカラーバリエーションが4つあり、本記事で紹介したシルバーとピンクの他にもゴールドとブラックがあります。
既に仕事などでカシオの電卓を使用している人で「自分用に電卓を購入したいけど少しおしゃれなデザインの電卓がいい!」という方におすすめの商品です。
デザイン以外の品質は一緒であるため、カシオの電卓を使い慣れた人にはピッタリです。
シャープ 実務電卓 セミデスクトップタイプ CS-S952X
基本情報
- 参考価格:4,872円
- 重さ:245g
- サイズ:132mm✖️191mm✖️36mm(大きめサイズ)
- 機能:税計算・メモリー機能・日数計算・時間計算
- 表示桁数:12桁
- メーカー:シャープ
シャープ実務電卓 CS-S952Xの特徴
大きくて使いやすい電卓
この電卓は大きめのサイズの電卓であり、大きくて見やすい画面が特徴です。
1秒間に20回という素早い入力でも正確に認識する極めて高い品質を備えており、簿記検定の中でも2級や1級といった計算スピードが求められるレベルでも安心の電卓です。
カシオ製の電卓よりも比較的お手頃の値段で販売されており、機能性も高いことから仕事で電卓を使用する方々に愛されている電卓です。
シャープ 実務電卓 ナイスサイズタイプ EL-N942X
基本情報
- 参考価格:3,800円
- 重さ:202g
- サイズ:112mm✖️181mm✖️35mm(普通サイズ)
- 機能:税計算・メモリー機能・日数計算・時間計算
- 表示桁数:12桁
- メーカー :シャープ
シャープ実務電卓 EL-N942-Xの特徴
お手頃価格の定番商品
この電卓はシャープの標準サイズの電卓であり、操作性と安定性を兼ね備えながらカシオの電卓の半額程度で購入できる商品です。
シャープ製の電卓の中で定番となっている商品であり、軽めのタッチで正確に認識する性能を誇っています。
数字キーと四則演算キーが少し離れていることから誤って押してしまうリスクが低く、キーの形も指に馴染みやすいように湾曲しているなど、操作性を高める工夫があちこちに凝らされています。
裏面4箇所の滑り止めがしっかり付いており、素早い操作でも電卓が動かない安定性を持っています。
お手頃価格であることから、学生や新社会人を中心に愛されている電卓です。
無印良品 電卓 KK-1154MS
基本情報
- 参考価格:990円
- 重さ:150g
- サイズ:173mm✖️104mm✖️12mm(普通サイズ)
- 機能:税計算・メモリー機能
- 表示桁数:12桁
- メーカー :無印良品
無印良品電卓 KK-1154MSの特徴
シンプルで安い電卓
シンプルで良質な商品を多く取り扱っている無印良品の電卓は、シンプルで安いことが一番の特徴です。
機能も税率計算やメモリー機能などの便利機能が搭載されており、「最低限の機能で安く購入したい」という方におすすめと言えます。
日数計算や時間計算などはありませんが、今後仕事などに使う予定がなく、簿記検定の勉強のみに使う予定の方はこちらの電卓でも十分だと言えるでしょう。
勉強にあまり費用をかけたくない、電卓を他の用途にあまり使わないという方にはピッタリの電卓です。
日商簿記検定に使えない電卓は?
簿記検定に使えない電卓
- 印刷機能があるもの
- 音が出るもの
- プログラム機能があるもの
- 辞書機能があるもの
プログラム機能とは?
- 関数電卓等の多機能電卓に搭載されている
- 原価計算等の公式をあらかじめ記憶できる機能
- 建築や薬学などの分野で主に使われている
プログラム機能に該当しない機能
- 日数計算
- 時間計算
- 換算
- 税計算
- 検算
日商簿記検定では使えない電卓の持ち込み基準が定められており、使えない電卓もあります。
中でもプログラム機能が誤解されやすいですが、日数計算や税計算などの機能はプログラム機能に含まれないため、使用可能な電卓となります。
もし家にある電卓を使いたい場合はこれらの事項に該当していないか気をつけてください。
電卓の選び方
簿記検定などの勉強を始める方々にとっては「どのような電卓が良い電卓なのか分からない!」という方が多いでしょう。
そんな皆様に電卓を選ぶ上で気を付けるポイントを5つご紹介します。
- 表示桁数
- 電卓の大きさ
- 便利キーの種類
- メーカー
- あったら嬉しい機能
表示桁数について
表示桁数は12桁以上
市販されている電卓の多くは10桁か12桁です。
全商簿記1級・日商簿記2級・全経簿記1級までであれば表示桁数10桁でも特に困りませんが、日商簿記1級、全経簿記上級、もしくは公認会計士や税理士などの国家試験を目指すのであれば表示桁数が12桁以上でないと不便に感じる場面が発生します。
大きい数字の計算を小さい数字に置き直して計算すれば問題を解くことは可能ですが、難関資格試験になると回答スピードも求められるため、計算に一手間加わるというのは他の受験生と比べて不利になってしまいます。
本試験で不安を抱えて臨むことがないように12桁以上の電卓を購入するようにしましょう。
電卓の大きさについて
比較的大きい方が良い
電卓の大きさは一般的に手のひらサイズの電卓が多く、社会人の方々であればこのサイズが一番多く見かけるでしょう。
電卓の大きさは計算スピードや正確性に影響する部分であり、筆者としては大きめのものを購入することをおすすめします。
簿記検定の勉強に慣れてくると徐々に電卓を押すスピードが早くなり、最終的にはボタンの配置を覚えて電卓を見ずに計算することになるでしょう。その際、小さい電卓だと押し間違いをしたことに気づかずにそのまま計算を進めてしまい、初歩的なミスで点数を落としてしまう可能性があります。(筆者も計算間違いで何度も点数を落としてきました…)
しかし、公認会計士試験や税理士試験を見据えている人は注意が必要です。
公認会計士試験ではおおむね縦 20cm ×横 20cm ×高さ 5cm を超えないもの、税理士試験ではおおむね26cm×18cmを超えないものとされています。
ここまで大きい電卓はなかなかありませんが、自分で電卓を選ぶ場合は頭の片隅に入れておくようにしましょう。
便利キーの種類
多機能すぎると使用不可
電卓には0〜9までのキーと➕・➖・✖️・➗の四則演算の他にも様々なキーがついています。
普段電卓を使っていない人にとってみれば「このキーってなんだろう?」と思っている方がいると思いますが、使えるようになると非常に便利です。
簿記検定においてはメモリーキー(M+・M-・MR・MCなど)とGT(グランドトータル)、日数計算が特に役立つキーです。
メモリーキーとは数字や計算結果などを一時的に記憶する機能であり、GT(グランドトータル)とは複数の計算結果を合計する機能です。これらの機能は大量の計算を行う際に役立ちます。
日数計算とはその名の通り日割り計算を補助する機能であり、貸付金・借入金などの利息計算が簡単に求められるようになります。
これらの機能は本試験でも使用できますが、資格試験によってはプログラム機能・印刷機能・辞書機能・関数電卓機能・音が出る機能などが付いた電卓は使用不可であるため、多機能すぎるものは購入しないようにしましょう。
メーカーについて
ボタンの配置が違う
電卓で有名なメーカーはカシオとシャープですが、このメーカーが良いというのは特にありません。
しかし、メーカーによってボタンの配置が違うため、これまで電卓を使っていて新しいものを購入する場合は注意が必要です。
また、福利計算などの際に電卓の打ち方が違ったりするため、慣れ親しんだ電卓がある場合は変えない方が良いでしょう。
これまで会社で電卓を使っている方で「簿記検定の勉強をするから自分用に新しく電卓を購入しよう」という場合は、メーカーを統一することをおすすめします。
あったら嬉しい機能
電卓は日々進化している
各メーカーはより使いやすい電卓を開発しており、日々進化しています。ここで全て紹介するととてつもなく長文になってしまうため、その中からキーロールオーバー機能とサイレント機能の二つだけご紹介します。
キーロールオーバー機能とはキーから指を離す前に別のキーを押してもしっかり認識する機能で、電卓を素早く正確に押さなければならない場面で活躍します。
サイレント機能とはその名の通り電卓を押す時のタッチ音が静かになる機能であり、静かなカフェや図書館などで勉強する時に役立ちます。
その他にも様々な便利機能があり、皆様の勉強をサポートしてくれるでしょう。
公認会計士試験と税理士試験の電卓使用基準
簿記検定だけでなく公認会計士試験や税理士試験も視野に入れて勉強する方のために、それぞれの試験の電卓に関する基準もご紹介します。
公認会計士試験の電卓使用基準
電卓の使用基準
電卓は、以下①~⑥の基準の全てを満たすものに限ります。当該基準に適合するかどうかは試験官が試 験場において判定し、適合しないと判定したものについては、使用を禁止します。なお、いかなる場合でも、 電卓は貸与しません。
① 電源内蔵式で、音(音階、音声等)を発しないもの
② 数値を表示する部分がおおむね水平であり、表示部が周りの受験者に見えない程度のもの
③ 外形寸法がおおむね縦 20cm ×横 20cm ×高さ 5cm を超えないもの
④ ケースやカバーが付いていないもの(ケースやカバーは取り外すこと)
⑤ 計算機能以外の機能を有しないもの
⑥ 以下ア~エに掲げる機能を有しないもの
ア プログラム入力・記憶機能 例えば次に示すようなキーのあるもので、プログラム入力・記憶機能を有しているものは、試験 場での使用を不可とします。RUN、EXE、PRO、PROG、COMP、ENTER P1、P2、P3、P4、PF1、PF2、PF3、PF4
イ 関数電卓機能 例えば次に掲げる機能はいわゆる関数電卓機能に当たるものとし、これらの機能を有しているも のは、試験場での使用を不可とします。 ・sin、cos、tan、log、べき乗、Σ、微積分、行列等の表示・計算機能 ・金利計算機能
ウ 紙に記録する機能
エ 漢字・カナ・英字入力機能
(注) 例えば、以下の機能については、上記ア~エの機能に該当しないため、試験場での使用は可とし ます。
・GT、C、AC、MC、MR、M+、M-、MU、MD、RV、√、%などのキー ・税計算機能(税込、税抜計算ができる機能)
・日数計算機能(期間計算や期日計算ができる機能)
・時間計算機能(時・分・秒の加減乗除ができる機能)
・換算機能(通貨、単位など任意の換算レートを設定して換算できる機能)
・カウンター付演算状態表示機能(入力件数の多い計算でも入力した数値の個数や演算状態の表 示により計算過程の確認が一目でできる機能)
・アンサーチェック(検算)機能(1回前の計算結果と答えを自動的に照合できる機能)
・キーロールオーバー(早打ち)機能(先に押したキーから指を離す前に次のキーを押しても入 力を受け付ける機能)
・計算続行機能(計算の中断で消えた画面を再表示する機能)
・オートレビュー機能(自動的に計算過程の確認と訂正ができる機能)
税理士試験の電卓使用基準
計算機は、次の4つの条件の全てに該当する場合にのみ使用が認められます。
- 乾電池や、太陽電池で作動する電源内蔵式のものであること。試験場では、コンセントは使用できません。
- 演算機能のみを有するものであること。紙に記録する機能、音が出る機能、計算過程を遡って確認できる機能、プログラムの入力機能があるものは、その機能の使用のみならず、計算機全体が使用できません。(消費税の税込み、税抜き機能のみを有する電卓は使用可)
※ 「計算過程を遡って確認できる機能」とは、例えば、本人が入力した計算式や計算過程を記憶し、遡って画面上で計算式や計算過程を確認できる機能をいい、計算結果(答)のみを確認する機能(アンサーチェック(検算)機能(1回前の計算結果と答えを自動的に照合できる機能))はこれに該当しません。
- 数値を表示する部分がおおむね水平であるもの。表示窓が極端に横に倒れるものなどは使用できません。
- 外形寸法がおおむね26センチメ-トル×18センチメ-トルを超えないものであること。つまり、おおむねB5判の紙からはみ出ない大きさの計算機を使用してください。
各HPから引用しましたが、要約すると多機能すぎるもの(関数電卓など)、音が出るもの、大きすぎるものは使用不可となります。
上記の通り試験に使用できる電卓の大きさや機能など細かく決められており、市販の電卓でも使えないものがあります。
電卓はメーカーなどによってボタンの配置が違うものがあり、一度手に馴染んでしまうと他の電卓を使うと押し間違いなどが発生してしまうことがあります。
そのため、電卓を購入する際にはどの試験にも使えるものを最初から購入することをおすすめします。
まとめ
電卓は使い慣れたものがあると他の電卓を使用した時に不快感を感じます。最初に購入した電卓が壊れたとしても手に馴染んだ同じ商品を購入するようにしましょう。
電卓は探せば数百円のものから販売されていますが、耐久性などに難があるものが多く、本試験で壊れたりしたら大変です。(筆者はこれまで電卓を3台壊してしまった経験があります…)
また、中にはサイレント機能がなく、カチャカチャうるさい電卓もあります。
最初は高いと感じる電卓でも、何年にも渡って使い続けるのであれば信頼できる商品を購入するようにしましょう。
ここでの出費は少し手痛いかもしれませんが、将来を考えるとあなたの為になります。
たかが電卓といえどもしっかりと検討して購入するようにしましょう。
本記事のまとめ
- 電卓はカシオやシャープが王道
- 多機能すぎる電卓は使えない
- 電卓を購入する際は将来を見据えて購入しましょう
皆様が簿記検定に合格することをお祈りしています。