IT 情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士って難しいの?【難易度・合格率・勉強時間】

情報処理安全確保支援士試験とは情報処理技術者試験のレベル4に位置する試験です。

レベル1〜4まで設けられている情報処理技術者試験では最高レベルの資格試験であり、国家試験の中でも難易度が高いと言えるでしょう。

情報処理安全確保支援士試験に合格すると国家資格である情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)になることができ、多くの企業から信頼を得られる人材になることができます。

今回はこの情報処理安全確保支援士について、試験の概要と難易度、国家資格である登録セキスペについて解説していきます。

本記事の内容

  • 情報処理安全確保支援士の概要と難易度
  • 国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」について

情報処理安全確保支援士の概要

試験の変遷

情報セキュリティアドミニストレータ試験:平成13年度秋期〜平成20年度秋期

テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験:平成18年度春期〜平成20年度秋期

情報セキュリティスペシャリスト試験:平成21年度春期〜平成28年度秋期 ※1

情報セキュリティマネジメント試験:平成28年度秋期〜

情報処理安全確保支援士試験:平成29年度春期〜

※1 情報セキュリテイアドミニストレータ試験とテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験を統合

試験概要

試験日 年2回(4月・10月)
受験料 5,700円
試験形式
試験時間
午前Ⅰ:50分 四肢択一
午前Ⅱ:40分 四肢択一
午後Ⅰ:90分 記述式
午後Ⅱ:120分 記述式
合格基準 午前Ⅰ:60点以上/100点満点
午前Ⅱ:60点以上/100点満点
午後Ⅰ:60点以上/100点満点
午後Ⅱ:60点以上/100点満点
合格率 15%前後
受験者数 年間約3万人

他の高度試験(情報処理技術者試験のレベル4に相当する試験)は年1回しか試験日が設定されていませんが、情報処理安全確保支援士のみ年2回試験日が設定されています。

受験者数も高度試験の中で最も多く、人気の高い資格試験と言えるでしょう。

合格基準は全ての試験で60点以上となっており、どれか一つでも合格基準に達していない場合は不合格になります。

情報処理安全確保支援士などの高度試験は午前Ⅰから採点されていき、どこかで合格基準に達しなかった場合はそれ以降の試験が採点されません。

また、情報処理安全確保支援士には午前Ⅰ試験の免除制度(認定期間2年)があります。

午前Ⅰ免除制度対象条件
応用情報技術試験に合格
高度試験、もしくは情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格
高度試験、もしくは情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を取る

情報処理安全確保支援士を受験する人には情報処理技術者試験のレベル3に相当する応用情報技術者の合格者が多く、午前Ⅰ免除制度を活用している人も少なくありません。

これらの条件に合致している人は情報処理安全確保支援士の受験申し込みの際に申請することができるため、忘れずに確認しておきましょう。

情報処理安全確保支援士の難易度

情報処理安全確保支援士の合格率は15%程度であり、国家試験の中でも難関試験と言えるでしょう。受験者層も応用情報技術者試験合格者やベテランのITエンジニアなどが多く、合格率から推測する難易度よりも高いでしょう。

旧制度の情報セキュリティスペシャリスト試験と同程度の難易度であり、時代と共に出題内容は変化していますが、難易度という点においてはあまり変わりません。

情報処理安全確保支援士の目安勉強時間は500時間程度であり、勉強期間は半年〜1年となることが多いです。応用情報技術者試験合格レベルの知識を持っていない場合はこれよりも多くの勉強時間・勉強期間がかかるでしょう。

情報処理安全確保支援士の勉強で一番苦労しやすいのは午後Ⅰと午後Ⅱ試験です。これらは情報処理安全確保支援士としての専門的知識を深く問われる試験であり、問題文も非常に長い(10ページ程度の問題もあります)ことから苦手とする人が多く存在します。

専門的知識の前に長文を読み解く力が問われるため、過去問などを繰り返し解くなどの対策が必要です。

効率の良い勉強法

情報処理安全確保支援士は情報処理技術者試験の中でもレベル4に相当する難易度の高い資格試験です。

初学者の場合はまず応用情報技術者試験の合格を目指すようにしましょう。

実際に仕事でセキュリティ関連の業務を行っている場合は既に得ている知識を活用できるため、試験対策すべき範囲を狭めることができるでしょう。

特に午後Ⅰと午後Ⅱ試験は選択問題であるため、得意分野がある場合はかなり有利な状態で試験に臨ことができるでしょう。

独学で勉強する

応用情報技術者試験まで勉強し続けられた人の中には、自分の勉強法を確立している人も少なくないと思います。

そのような方については外部の資格講座などを利用せずにテキストや問題集などを購入して勉強した方が良いでしょう。

資格講座は体系的に学習でき、分からない部分を質問できるというメリットがありますが、費用が高い・学習スケジュールが決められてしまう恐れがある、というデメリットも潜んでいます。

ただし、午後Ⅰと午後Ⅱ試験については記述式の問題もあるため、自己採点ではどこを改善すれば良いか分かりにくいことがあります。

そのため、直前対策や模擬試験だけ資格学校で受講することをおすすめします。

市販されている過去問や模擬試験で高得点を取得できる場合は受講する必要はありませんが、「あと一歩足りない!」という方には第三者の客観的な採点は心強い味方となってくれるでしょう。

資格講座を受講する

他の情報処理技術者試験の勉強において、資格学校や外部の講座を受講してきた場合はこれまでと同じく講座を受講することをおすすめします。独学で勉強して合格できる自信がある場合は別ですが、勉強のモチベーションを高く保ち、挫折しない覚悟が必要です。

ITエンジニアとして仕事をしてきていた方については、まず情報処理安全確保支援士の過去問を見てみましょう。

「このくらいだったら独学で合格できるかも」と思った方については独学で挑戦することも検討してみましょう。「これは専門外だから1から勉強しないとな…」と感じた場合は資格学校に通うことをおすすめします。

市販で販売されている参考書などは応用情報技術者試験合格レベルを想定していることがあり、基礎的知識を飛ばしている可能性があります。

一方、資格学校の場合は講師に質問できるというメリットがあり、基本情報技術者や応用情報技術者の内容でも丁寧に答えてくれます。

「自分には独学が良いか講座を受講する方が良いか」という点をしっかり考えてみましょう。

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国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」について

情報処理安全確保支援士に合格すると国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」になることができます。

登録セキスペは更新制であり、3年に1回更新が必要となります。登録セキスペになると共通講習(オンライン講習・6時間・2万円)の受講を毎年行い、3年に1回集合講習(1日・8万円)を受ける必要があります。

経済産業省が認定している国家資格であるため企業などからの信頼を得やすく、転職市場などでも評価が高いです。

しかし、先ほども述べたように登録セキスペの資格を維持するためには費用がかなりかかります。

登録セキスペを目指す場合はどこで使うか明確にするようにしましょう。

まとめ

情報処理安全確保支援士は近年のサイバー攻撃の急激な増加と手口の高度化によって創設された国家試験です。

登録セキスペに毎年の講義受講を義務付けているため、最新の知識をアップデートしながら業務を行うことができます。

日々の移り変わりが激しいIT業界でこの点は大きな武器になるでしょう。

本記事のまとめ

  • 情報処理安全確保支援士は国家試験の中でも難関試験
  • 受験者層は応用情報技術者試験合格者やベテランITエンジニアが多い
  • 合格すると国家資格である登録セキスペになることができる
  • この記事を書いた人

シズ

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