今、高校生の皆さんは「あの人資格を持っていていいな」とか「資格を取って自信を付けたいな」ということを考えたことはありますよね。
筆者である私も中学生の頃に何も資格を取らずに高校に進学したため、「高校生の内に資格を取りたいなぁ」と考えていました。(それが会計の道に歩みだすきっかけでもあります)
会計の道を歩みたい人は簿記検定という文字を見たことがあるでしょう。
簿記検定は高校生の内に取れば進学・就職だけでなく仕事への活用など、活用できる場面はいくらでもあります。
今回は簿記検定を高校生の内に取るメリットとそのやり方、難易度などを私の経験も紹介しながら解説していきます。
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本記事の内容
- 簿記3級を高校生で取得するメリット
- 簿記3級の難易度
- 高校生で簿記3級を取る方法
簿記3級を高校生の内に取得するメリット
- 進学時・就職時などで評価を獲得しやすい
- ほぼ全ての企業へ就職できるチャンスを掴める
- 簿記2級へのステップアップに有効
進学時・就職時などで評価を獲得しやすい
高校生の時に簿記検定に合格しておくと、多くの場面で活用できるようになります。この点が最も大きいメリットと言えるでしょう。
高校生であればまずは大学や専門学校への進学、もしくは就職が直近で最も活用できるタイミングでしょう。
特に会計系の学校への進学、事務職・管理部門への就職などであれば漢検や英検よりも簿記検定の方が評価される可能性が高いでしょう。
商業高校生であれば中間テストや期末テストなどで簿記検定の問題が問われることも多く、全商簿記検定の勉強へも活かすことができます。
採用面接などでも簿記検定を持っている方は話題になることが多く、面接対策もしやすいと言えるでしょう。
採用する会社としても「この人は数字に強いから管理部門で経験を積んで欲しいな」と思われやすいです。
他のライバルと差がつきやすい部分であるため、一歩先のフィールドで競争することができます。
ほぼ全ての企業への就職が視野に入る
会社は必ずお金の流れや収支管理をしなければならず、経理担当者が必要になります。地方のこじんまりとした家族経営企業から複数の国に支社・支店を構える大企業まで、必ず経理担当者や経理部門があります。
簿記検定を持っていれば「経理に関する知識があります!」ということを書類選考の時点でアピールすることができ、資格の中でも数少ない「仕事に活かせる資格を持っている人」という印象を与えることができます。
私も簿記検定を持っていることによって様々な企業から評価頂き、中には「うちの会社に来ないか?」といったオファーを頂いたことも何度もあります。
簿記検定は危険物取扱者や1級建築士などと違い、活用幅が非常に広く、多くの企業が「従業員に持っておいて欲しい資格」として簿記検定をあげています。
もちろん税理士や公認会計士など、より上位の資格を取って会計の専門家としてキャリアを積むという道もあります。
既に目指したい道が決まっている人はあまり簿記検定が活かせないかもしれませんが、高校生の皆さんはまだまだ将来どのようになるか分からないため、取得しておいて損することはないでしょう。
簿記2級へのステップアップに有効
日商簿記3級は簿記検定の入門資格として位置付けられており、合格率も高く、非常に多くの受験生が毎年受験しています。学校によっては授業の一環として簿記3級を受験することもあり、それだけ多くの人が持っている資格でもあります。
そのため、簿記3級を一つの特徴として活かすことはできても、武器として使う場合はそこまで効力を発しない場合があります。
もし簿記検定を活かして職につきたい、あるいは進学したいと考えている方については日商簿記2級を目指しましょう。
日商簿記2級は3級に比べれば難易度が高く、受験者数もグッと絞られますが、それだけ価値の高い資格試験でもあります。
実際に多くの企業が日商簿記2級に価値を見出しています。
日商簿記2級を目指す人はまず日商簿記3級から勉強する場合が多く、既に持っている人は2級へのステップアップに使えるでしょう。
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簿記3級の受験者数と合格率
回(試験日) | 受験者数 | 合格率 |
159(2021.11.21) | 58,025名 | 27.1% |
158(2021.6.13) | 58,070名 | 28.9% |
157(2021.2.28) | 70,748名 | 67.2% |
156(2020.11.15) | 77,064名 | 47.4% |
直近4回の簿記3級の合格率を見てみるとかなりばらつきがあり、直近2回に至っては20%台とかなり低いことが分かります。
さらに前にさかのぼると約50%台で推移しており、2人に1人くらい合格する資格試験であると覚えておきましょう。
受験者数もコロナウイルスの影響によって通常の半分程度に落ち込んでおり、簿記検定の合格者数でみるとさらに減っていると考えられます。
高校生で日商簿記3級を取得する方法
知識レベル | 目安勉強期間 |
簿記未経験 | 3〜6ヶ月 |
簿記の基礎知識がある | 2〜3ヶ月 |
全商簿記2級を持っている | 1〜2ヶ月 |
日商簿記3級の勉強時間は約100時間、期間にして3〜6ヶ月となります。
収益とは何か、当座預金とは何かという基礎知識を理解している方は70時間程度で合格することもできるでしょう。
もし夏休みなどの短期間で多くの勉強時間を取れる方は短期集中することができるため、1ヶ月程度で合格できる人がいるかもしれません。(私の周りでも1ヶ月程度で合格した人もいます。)
商業高校生の方は全商簿記検定を勉強しているため、さらに勉強期間を短縮することができるかもしれません。
全商簿記2級程度の知識を持っている方は日商簿記3級合格までの知識が備わっており、後は日商簿記3級の試験問題に慣れることができれば簡単に合格することができます。
とはいうものの、日商簿記3級に挑戦する人は簿記未経験の方が多いでしょう。
簿記未経験の方はまず簿記とはどういう仕組みなのか、勘定科目とは何かといった基礎的な法則や形式を学ばなければならず、最初は簿記3級ではなく簿記そのものを理解するところから始めましょう。
簿記3級についてはある程度時間をかければ合格できますが、それでもつまづく方は次の項目で解説していきます。
簿記3級に合格できない方の特徴
- 暗記で乗り越えようとする
- 時間が足りない
- 新しい問題に対応できない
暗記で乗り越えようとする
簿記3級といえど、勉強していく中で登場する用語の意味を理解しなければ得点に結びつけることができません。
現金や建物のような比較的身近に感じやすい勘定科目などは問題ないと思いますが、減価償却費や繰越利益剰余金など、あまり馴染みのない用語はしっかり理解しなければ使える知識になりません。
繰り返しますが、簿記3級に登場する用語は簿記の中でも基礎的な部分であり、これらの用語を理解しないと実社会などで応用させることもできません。
簿記検定を取得しても仕事で活かす予定がない方は頻出用語のみ理解して合格に結びつけることも良いかもしれませんが、もし仕事に活かす予定がある方はちゃんと理解しながら学習するようにしましょう。
短期間での合格を目指す場合はなおさら「理解」ということをおろそかにしがちですが、使えない知識にならないよう意識して勉強するようにしましょう。
時間が足りない
本試験で問題を解いていて時間が足りず、最後まで解けずに終わってしまう方もいるでしょう。その場合は過去問や予想問題などを繰り返し解くようにしましょう。
この段階でつまづいている人は、一通り学習を終えている方であり、後は素早く正確に解く能力だけです。
もちろんこの段階まで来ていても何度かテキストを読み返しながら問題を解いていると思いますが、とにかく問題演習を繰り返し行うようにしましょう。
簿記3級は出題内容がある程度決まっており、得点の高い問題から解く方法も有効です。一番後回しにしがちな最後の第5問が30点と大きな割合を占めています。
過去問や予想問題などの実践形式の問題を繰り返し解き、時間内に70点以上の得点を目指すようにしましょう。
新しい問題に対応できない
最近の簿記検定は時代の流れに応じて新しい分野の問題が続々と出題されるようになっています。
数年前のテキストや問題集を使用して勉強している方には「なんだこれ?」という問題を本番突然目にすることもあります。
たとえ新しいテキストや問題集を使用していたとしても、新しい出題範囲は「後で見ておけばいいや」と後回しにしがちです。
また、新しい問題を目にするとパニックになってしまう方もいます。
しっかりと網羅的に勉強する、もしくは解けない問題は飛ばすというスタンスをしっかりと確立しておき、本試験に臨むようにしましょう。
まとめ
今回は簿記3級を高校生の内に取得するメリットと簿記3級の勉強法について解説していきました。
簿記3級は簿記検定の入門的資格でありながら、多くの会社で評価される珍しい資格です。
簿記3級を武器にするには少し効力が低いと言わざるをえませんが、企業や大学の面接・選考段階でより良い印象を与える効果はあります。
これからの自分の活躍の幅を広げるためにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
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本記事のまとめ
- 高校生の内に簿記検定を持っていると、人生の節目の度にメリットを受けられる。
- 簿記検定を武器にしたい場合は2級を目指しましょう
- 2人に1人は不合格になる資格であるため、あなどらずに勉強しよう
みなさんが合格することをお祈りしています。