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【基本情報技術者試験が変わる!】2023年4月からの新試験制度解説!

2022年5月4日

情報処理推進機構から2022年4月25日付のニュースリリースで、2023年4月から基本情報技術者試験(FE)と情報セキュリティマネジメント試験(SG)の試験制度変更が発表されました。

FEとSGは2020年12月から新型コロナウィルス感染拡大防止を目的とした試験制度変更をしたばかりであり、今回の試験制度変更はさらなる利便性の向上を目指すものです。

これにより試験時間や受験回数、試験範囲などが変更され、新試験制度で受験を考えている場合は新試験制度に適用した勉強法が必要となるでしょう。

今回はこの新試験制度について、具体的に何が変わるのか、これから勉強するなら新試験制度に向けて勉強すべきかを解説していきます。

本記事の内容

  • 新試験制度の概要と主な変更点
  • 新試験制度の出題傾向
  • 新試験制度に向けた勉強が必要か?

新試験制度の内容

基本情報技術者試験の対象者像

  対象者像
変更前 高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者
変更後 ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者

引用:情報処理推進機構 情報処理技術者試験における出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について

基本情報技術者試験の試験制度変更

試験項目 変更前 変更後
試験回数 年2回
(春・秋)
通年化
(受験者の都合の良い日時を選択)
試験科目名 午前試験
午後試験
科目A試験
科目B試験
試験時間 午前:150分
午後:150分
科目A:90分
科目B:100分
問題数 午前:出題数80問、解答数80問
午後:出題数11問、解答数5問
科目A:出題数60問、解答数60問
科目B:出題数20問、解答数20問
試験範囲 科目A:旧午前試験と同様
科目B:セキュリティとアルゴリズムに特化
個別プログラム(Cや表計算など)は擬似言語に統一

引用:情報処理推進機構 情報処理技術者試験における出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について

新試験制度は試験時間が短縮され、試験自体が通年化したことにより、合格チャンスが多くなりました。この変更はこれから勉強する人には追い風となるでしょう。

特に午後問題がコンパクトになり、大問形式から小問形式になったため、2023年4月以降に受験する人は新試験制度に慣れる必要があるでしょう。

但し、午後試験は情報セキュリティとデータ構造及びアルゴリズム(擬似言語)を中心とした内容に変更されたため、この二つの分野を苦手としている人にはハードルが高くなります。

今回の改正は世間で注目を浴びているセキュリティとプログラミングの分野に注目したものであり、基本情報技術者試験自体の価値を向上させるものとなります。

しかし、一方でアルゴリズムなどを苦手としている人も多く、IT未経験の方にとっては少しハードルが上がった人もいるかもしれません。

ココがポイント

対象者像でも「システムやソフトウェアなどを作る人材」を想定しているため、より実践的な試験内容となり、知識よりも技能を問われる傾向が強い試験となります。

プログラマーの方は実務で得た知識を応用することができる試験となるため、1ヶ月程度の独学で合格することができるかもしれません。

ITパスポートから段階的に勉強してきた方は初めてアルゴリズムの勉強をすることになるため、着実に勉強して解き方や考え方に慣れる必要があるでしょう。

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新試験制度のサンプル問題

情報処理推進機構より新しい試験制度にて大幅に変更される午後試験(新試験制度では科目B試験)のサンプル問題が公開されました。

FE_科目Bサンプル問題

引用:情報処理推進機構 情報処理技術者試験における出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について

問題数は6問でアルゴリズムが5問、情報セキュリティが1問の構成になっています。

私が解いた感想では、難易度自体はそこまで高くない印象ですが、限られた試験時間内でこれを解くということを考慮すると、慣れが必要だと感じました。

特に問4の二次元配列を使用したデータ構造の理解と戻り値の推定の問題は、回答に時間がかかり、過去問でアルゴリズムを何度も解かないとスピード感を持った解答をすることはできないのではないかと感じました。

問6のセキュリティの問題は実務で関わっている人は簡単に解答できると考えられ、未経験者でも文章を読み込めば解答できるレベルという印象です。

サンプル問題は6問ですが、本番では20問出題され、制限時間100分の中で解答しなければなりません。

昨今は義務教育過程でのプログラミング必須化によって、アルゴリズムの知識・技能はさらに重要度が増してきているため、苦手意識を持たずに着々と勉強していくようにしましょう。

新試験制度に合わせて勉強する方が良いの?

新試験制度は2023年4月から開始されるため、自身の合格目標がそれよりも前か後かという所が鍵となります。

独学で勉強する場合は自分で設定することが可能ですが、講座を受講する場合は3〜6ヶ月程度のスケジュールとなるため、新試験制度を見据えた勉強をする必要があるでしょう。

新試験制度は先ほど解説したとおり、30〜40%程度試験時間が短縮され、より世間からの需要が高い分野が出題割合を占める制度に変更されます。

ココがポイント

新試験制度に変更される前に受験する予定の方は今の試験範囲に合わせた勉強をすることをおすすめしますが、基本情報技術者試験自体が合格率20%程度の難関試験であるため、一発合格できなかったことも考慮し、新試験制度を意識した勉強をすべきでしょう。

特に新試験制度はアルゴリズムが多く出題されると考えられるため、擬似言語の学習をより深くすることが肝心だと感じます。

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まとめ

新試験制度の内容を確認すると、世間から多く求められるスキルに注目した変更であることが考えられます。

受験生にとっては試験の通年化により合格チャンスが飛躍的に高くなり、失敗しても何度も挑戦することができます。

新試験制度の基本情報技術者試験はより価値の高い分野に特化しているため、今後試験勉強で得た知識を活用できる機会も大きく広がるでしょう。

本記事のまとめ

  • 試験の通年化によって合格チャンスが増える
  • 午後試験はセキュリティとアルゴリズムが中心になる
  • コンピュータでの試験になり、試験時間も短縮される
  • より需要が高いスキルを獲得できる試験になる

みなさんが基本情報技術者に合格することをお祈りいたします。

  • この記事を書いた人

シズ

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