基本情報技術者試験とは情報処理技術者試験のレベル2に位置している試験であり、ITエンジニアになりたい人の「登竜門」として有名な資格です。
毎年10万人以上も受験しているこの試験は学生から社会人まで多くの方々が挑戦しています。
今回はこの試験に合格した筆者がおすすめするテキストと問題集をご紹介します。
基本情報技術者試験の構成
基本情報技術者試験は午前試験と午後試験に分かれており、それぞれ問われる内容が大きく異なります。
試験 | 内容 |
午前試験 |
試験時間:150分 出題数:80問 解答数:80問 解答形式:四肢択一 合格基準:100点満点中60点 出題内容 基礎知識や専門知識が問われる内容が多く、簡単な計算問題も出題される 問題の多くが専門用語に関する知識であり、「浅く広く」問われる傾向にある |
午後試験 |
試験時間:150分 出題数:11問 解答数:5問 解答形式:多肢選択式 合格基準:100点満点中60点 出題内容 専門知識に加え、応用力や読解力が問われる問題が出題される 一つ一つの問題のボリュームが大きく、問題文が長い傾向にある 午前試験より深い知識や理解が必要だが、問われる分野がある程度決まっているため、「狭く深い」内容が出題される |
基本情報技術者試験は普段の生活で馴染みがない用語が多く、IT系の勉強をしたことがない人にとってハードルが高く感じると思います。
特に午後試験の必須分野であるアルゴリズムなどはプログラミングに関する知識が必要であるため拒否反応を示してしまう人がいるかもしれません。
そのため、はじめて基本情報技術者試験の勉強をする場合は午前試験→午後試験の順番に学習を進めていきましょう。
また、基本情報技術者試験は過去の問題の数問が選択肢も全く同一の状態で出題される傾向にあります。
この特性を活かし、テキストや問題集で一通り学習した後は予想問題集ではなく過去問題集でアウトプットの力を鍛えましょう
ITの分野は進歩が速く、毎回新しい分野が試験範囲に追加されるため、過去問題集を購入する際にはなるべく直近のものにしましょう。
午前試験対策テキスト・問題集
- ニュースペックテキスト 基本情報技術者
- かんたん合格 基本情報技術者教科書
- イメージ&クレバー 柏木先生の基本情報技術者教室
ニュースペックテキスト 基本情報技術者
概要
- 出版社:TAC出版
- ページ数:676ページ
テキストの特徴
- オールカラーのテキスト
- 資格学校TACが出版している
オールカラーのテキスト
このテキストの魅力は何といってもすべてのページがカラーになっている所です。
色分けされていることによって要点が分かりやすく、重要度を視覚的にとらえることができます。図解や考え方の流れなども解説しており、解き方をイメージしやすいように配慮されています。
資格学校TACが出版している
40年以上の歴史がある「TAC」が出版しており、合格のためのノウハウが詰まった一冊になっています。
それぞれの章の最後には確認問題が設けられており、しっかりアウトプットしながら勉強を進めることができます。午後試験にも対応しており、選択問題である「各種プログラム言語または表計算」では解答者が最も多い表計算を収録しています。
かんたん合格 基本情報技術者教科書
概要
- 出版社:インプレス
- ページ数:448ページ
テキストの特徴
- 基礎固めに最適
- 文系でも分かりやすく解説
基礎固めに最適
初めてIT系の資格を勉強する人にもやさしく解説しており、図解やイラストを使ってイメージをつかみやすいように設計されています。
基本情報技術者試験などのIT系の資格はどうしてもカタカナ語やアルファベットの単語が多く、苦手意識を持っている人が少なからずいます。入門書としても使えるため、まずはこの一冊を購入して読んでみるところから始めてみても良いかもしれません。
文系でも分かりやすく解説
基本情報技術者試験などの情報処理技術者試験はどうしても「理系の資格」という認識を持っている方がいます。
計算問題などの考え方やプロセスについて基礎の基礎から解説しており、前提知識がない人でも安心の内容になっています。初学者の方にピッタリの一冊になっていますので、手始めに購入してみてはいかがでしょうか。
イメージ&クレバー方式でよくわかる柏木先生の基本情報技術者教室
概要
- 出版社:技術評論社
- ページ数:496ページ
テキストの特徴
- イラストや図解が多い
- 収録している問題数が多い
- ITパスポートのテキストで有名な講師
イラストや図解が多い
このテキストの魅力は何といってもイラストや図解が多いことです。
他のテキストと比べて図解やイラストが多く、親しみやすい印象です。猫のイラストがメインで使用されており、勉強時のストレスを緩和してくれるかもしれません。
収録している問題数が多い
各節ごとに確認問題が用意されており、273問収録しています。
情報処理技術者試験は毎年と言ってよいほど新しい問題が出題されるため、最新の問題に対応する必要があります。そんな中このテキストは最新の試験傾向に対応できる問題が掲載されています。しっかりアウトプットしながら着実に勉強を進めていくことができます。
ITパスポートで有名な講師
同じシリーズであるイメージ&クレバー方式でよくわかる 柏木先生のITパスポート教室とこのテキストは二つとも100万人以上に読まれており、情報処理技術者試験は対策として有名なテキストです。
特徴的なイラストということもあり、皆さんも書店で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
午後試験対策テキスト・問題集
- 基本情報技術者 試験によく出る問題集【午後】
- 出るとこだけ!基本情報技術者【午後】
- うかる!基本情報技術者【午後・アルゴリズム編】福島先生の集中ゼミ
- 基本情報技術者 らくらく突破 表計算
- 徹底攻略 基本情報技術者の午後対策 Python編
基本情報技術者 試験によく出る問題集【午後】
概要
- 出版社:技術評論社
- ページ数:432ページ
テキストの特徴
- 必須テクニックを解説
- テーマごとに掲載されている
必須テクニックを解説
基本情報技術者の午後試験は1問あたりの分量が多く、深い知識や思考力が問われる傾向にあります。
そのため、午前試験のように用語を暗記するだけでは足りず、問題を読み解く流れや押さえておくべきポイントなどをとらえていく必要があります。このテキストでは合格するためにはどのように解いていけばよいかといった所を「解き方POINT」として詳しく解説しており、時間配分のコツも解説している所が特徴です。
テーマごとに掲載している
各チャプターごとにテーマが設けられており、関連する用語や考え方がまとめて解説されています。
深い知識が問われる午後試験に効果的な勉強法を行うことができるため得点に結びつきやすく、関連付けて学習することによって覚えやすいという点が特徴です。過去問などを解いた後に見返す際にも考え方から復習することができます。
出るとこだけ!基本情報技術者【午後】
概要
- 出版社:翔泳社
- ページ数:368ページ
テキストの特徴
- 勉強すべき問題を厳選している
- 直前対策・要点整理に有効
勉強すべき問題を厳選
このテキストの一番の特徴は「出るところだけ」を「出る順」で掲載しているという所です。
他のテキストや問題集にはなかなか見られないこの特徴は、短期間で得点を稼ぐことに特化しており、効率よく点数を上げたい人におすすめの書籍です。
直前対策・要点整理に有効
「出る順」で掲載されているため、直前対策や要点整理、本試験まで時間がない人にピッタリです。
全体的に学習が終了した後、得点をグンと伸ばすためにこのテキストで勉強すると効果的であり、「何回挑戦しても合格しない」という方などにもおすすめのテキストです。
うかる!基本情報技術者【午後・アルゴリズム編】福島先生の集中ゼミ
概要
- 出版社:日本経済出版
- ページ数:408ページ
テキストの特徴
- アルゴリズムに特化
- 基礎の基礎から丁寧に解説
アルゴリズムに特化
基本情報技術者試験ではアルゴリズムが必ず出題されます。
初心者がつまづきやすいこのアルゴリズムはプログラミングと密接な関係があり、避けては通れない分野です。この分野を初めて勉強する人はどうしても敬遠したくなるため、このテキストは苦手意識を持っている人にやさしく設計されています
基礎の基礎から丁寧に解説
アルゴリズムに特化しているため、基礎の基礎から丁寧に解説されています。
「コンピューターはどのような順序でどのように命令すれば実行するか?」という部分から解説されており、前提知識のない人にも安心の設計になっています。特にプログラマーやITエンジニアを目指したい人は手元に置いておきたい一冊です。
基本情報技術者 らくらく突破 表計算
概要
- 出版社:技術評論社
- ページ数:280ページ
テキストの特徴
- 午後試験の表計算に特化
- 合格ノウハウが凝縮
午後試験の表計算に特化
選択問題で最も選ばれやすい表計算に特化したテキスト。
表計算は仕事で既に使っている人も多く、初心者でも馴染みやすい分野です。しかし、年々難易度が上がっている分野でもあり最近マクロが試験範囲に含まれたため、得点しづらくなってきました。過去問の表計算問題を見て「難しそうだな…」と思った方は購入してみてはいかがでしょうか。
合格ノウハウが凝縮
表計算と一言にいっても基本情報技術者試験では膜とを記述するための擬似言語があり、普段エクセルなどを使用している人であっても少し理解に時間がかかります。
このテキストでは基本情報技術者試験独自の擬似言語に関する解説も行っており、限られた制限時間の中で得点していくことに長けています。
徹底攻略 基本情報技術者の午後対策 Python編
概要
- 出版社:技術評論社
- ページ数:280ページ
テキストの特徴
- 新試験分野のPythonに対応
- Python対応の希少な書籍
新試験分野のPythonに対応
2020年春から試験範囲に加えられたPythonはAIやビッグデータ開発用に活用されているプログラム言語です。
基本情報技術者試験のみにとらわれず、今後もっと注目を浴びる可能性があるプログラム言語を勉強したい!という方に一から分かりやすく解説しているテキストであるため、まだPythonに触れたことがない人でも安心の一冊です。
Python対応の希少な書籍
Pythonは基本情報技術者試験の選択問題になってからまだ新しいため、過去問が少なく試験傾向が予想しづらい部分があります。
そんな中、予想問題が多く収録されているこのテキストは数少ない対策問題集となります。データサイエンスやAIなどの変化球の問題にも対応できるように設計されているため、しっかり試験範囲を網羅できます。
過去問題集
- 基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集
- かんたん合格 基本情報技術者過去問題集
基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集
概要
- 出版社:技術評論社
- ページ数:624ページ
テキストの特徴
- ロングセラーの問題集
- 計19回分演習できる
- 本のサイズが大きい
ロングセラーの問題集
情報処理技術者試験の中でもロングセラーとなっている定番の問題集です。
筆者もお世話になったこともあり、30年以上の歴史がある会社から出版されているこの書籍は丁寧な解説がついていることでも有名です。基本情報技術者試験は過去問がそのまま本試験に出題されることもあるため、一冊は持っておきたいおすすめの問題集です。
合計19回分演習できる
過去問3回分と対策問題1問が収録されており、実戦形式で演習することができます。サイトからダウンロードすれば合計19回分の演習ができ、過去問を解く上ではまず困りません。
解答用紙も本番に近いものが付いており、実際の試験を受ける前に一度は解いておきたいものです。合計300語以上用語を収録しているスマホで読める電子書籍もついており、通勤・通学の時間も活用できる所も魅力の一つです。
本のサイズが大きい
この過去問題集はB5サイズと通常の書籍サイズであるA5サイズより少し大きめです。
そのため、全体的に見やすく、午後試験のような問題文が長い問題でも効率良く読解することができます。
かんたん合格 基本情報技術者過去問題集
概要
- 出版社:インプレス
- ページ数:568ページ
テキストの特徴
- 過去問と対策問題を収録
- 午前問題には出題率を表示
過去問と対策問題を収録
過去問3回分と最新の試験傾向を反映した対策問題が1回分ついており、新しい用語などにも対応しています。
「数学問題ではココが出る!」「大定番キーワードde点数UP↑↑」といった点数を取るためのテクニックや重要論点がまとめてあるページがあり、試験直前でも点数UPを狙える構成になっています。
午前問題には出題率を表示
収録されている4回分の午前問題にすべて出題率がついており、最後の追い込みをしたいときや効率よく勉強したいときなど、さまざまな場面で活用することができます。
各問題には解説のほかに攻略ポイントや覚えるべき用語などを「合格のカギ」として別枠で設けられており、押さえておくべきところが分かりやすいところも特徴です。
まとめ
基本情報技術者試験は午前試験と午後試験に分かれており、それぞれの出題形式が大きく異なるため、それぞれ対策が必要となります。
ITパスポートから勉強してきている人は大きく試験内容と試験範囲が変わって困惑してしまうこともあるでしょう。特に午後試験は深い知識が問われるため、それぞれの用語や考え方がどのようにつながっているのか、という理解力が必要です。
しかし、恐れる必要はありません。しっかり対策すれば合格することができる試験です。
皆さんの合格をお祈りしています。