簿記を勉強するためには
簿記を勉強するには様々な方法があり、今回ご紹介する勉強法のどれでも合格は可能です。
たとえ簿記検定の最難関とされる日商簿記1級でも独学で合格可能です。これは実際に日商簿記1級に合格した筆者が断言します。(たまに日商簿記1級を勉強する場合は専門学校に通わないと取れないという方がいますが、筆者はそうは思いません。)
どの検定のどの級を勉強するかによって目安勉強時間は異なりますが、最難関とされる日商簿記1級でも独学で合格することは可能です。
簿記検定について
簿記検定には日商簿記、全経簿記、全商簿記があります。就職活動時に求められるものや会社の昇格要件などに使われているのは日商簿記がほとんどです。全商簿記や全経簿記は商業高校などで自分の能力を測定する意味で取得する場合や高校を卒業して就職する方がアピールの為に取得する場合があります。
また、全経簿記上級や日商簿記1級など簿記検定の中で最高難易度の資格は公認会計士や税理士など、会計のスペシャリストになりたい方が取得するという場合が多いです。全経簿記上級と日商簿記1級は税理士試験の受験資格でもあります。ちなみに公認会計士の受験資格はありません。
簿記の難易度
簿記の難易度はどの級・検定かによって変わります。
また、簿記検定の難易度等は商工会議所等のサイトに掲載されている内容を考慮して難易度をつけております。
各級の勉強目安時間は下位の級を保持した状態での時間となっております。
日商簿記1級や全経簿記上級は他の級と難易度が雲泥の差ですので、取得を目指す場合は1年以上の長期戦になると思います。
検定名 | 勉強目安時間 | 合格率 | 難易度レベル |
日商簿記検定1級 | 700時間 | 約10% | レベル10 |
日商簿記検定2級 | 300時間 | 約20% | レベル4 |
日商簿記検定3級 | 100時間 | 約50% | レベル1 |
全商簿記1級 | 200時間 | 約40% | レベル3 |
全商簿記2級 | 100時間 | 約50% | レベル2 |
全商簿記3級 | 50時間 | 約55% | レベル1 |
全経簿記上級 | 700時間 | 約16% | レベル9 |
全経簿記1級 | 200時間 | 約50% | レベル3 |
全経簿記2級 | 100時間 | 約50% | レベル2 |
全経簿記3級 | 50時間 | 約60% | レベル1 |
勉強方法
簿記の勉強方法は下記の通りいろいろあります。
テキストと問題集を購入して独学で勉強
書店などで販売しているテキストを購入して独学で勉強する場合の最大のメリットは自分のペースで勉強できることです。また、書店でテキストと問題集を購入すれば比較的手軽にいつでも始めることができます。
簿記検定のテキストは書店であればどこでも入手することが可能です。テキストや問題集はシリーズ化されているものも多くあり、その評判もネットで簡単に調べることもできます。また、購入前に本をパラパラめくることによって内容を確認することができます。
独学の勉強法を選ぶ方の特徴としては自分のペースで勉強したい・専門学校に通うのがめんどくさい、もしくは近くに学校がない・短期集中で取得したいという方が多いかと思います。
独学で勉強する方のおすすめの勉強法はとにかくテキスト、問題集、過去問題集を周回するということです。周回して勉強すればどの分野が頻出しているか、逆にどの分野が出題されることが少ないか分かってくると思います。勉強を進めていくと、苦手な分野ほど頻出分野だったりするので、捨てる問題と必ず拾う問題を見極めながら勉強を進めていってください。
メリット
・自分のペースで勉強できる(短期間で一気に勉強することも可能)
デメリット
・分からない場所があっても聞く相手がいない
専門学校で簿記検定取得コースを受講する
様々な専門学校では簿記検定の取得を目的としたコースを解説しています。専門学校に通いながら勉強するメリットとしては、体系的に勉強できるということです。専門学校ではなぜこのような仕訳になっているのか、なぜこのような理論になっているのかなどの背景を教えてくれます。そのため、点数を取るためだけの勉強ではなく、しっかり理解しながら勉強することができます。
しかし、専門学校で勉強する場合はその専門学校が設定したペースに合わせる必要があり、基本的には自分のペースで勉強を進めることができません。(通信授業や映像授業などを選択すれば自分のペースで進めることが可能です。)
簿記検定を初めて勉強する方やしっかり理解しながら勉強したい方は専門学校に通うことをお勧めします。
専門学校についてはこちらの記事が詳しいのでご覧ください。
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メリット
・体系的に勉強することができる
・分からないとこは聞くことができる
・自分以外にも受講生がいるため、勉強への熱意が高められる
デメリット
・コース受講料がかかる(独学よりも比較的高め)
・通学に時間がかかる
・自分のペースで勉強できない
スマホアプリで勉強する
スマホのアプリでは簿記検定を勉強できるものが多々あります。アプリで勉強する最大のメリットは勉強する場所を選ばないということです。電車の中でも隙間時間でもソファーでくつろぎながらでも勉強できます。そのため、10分の隙間時間を1日3回アプリを開いて勉強すればそれだけで毎日30分勉強できることになります。
アプリは有料無料問わず、事前に評判等をネットで検索してから決めることをお勧めします。中には試験範囲全てをカバーしているものではないものもあります。また、アプリで勉強するやり方とテキストと問題集で勉強するやり方を併用する方法もあります。
簿記検定はその試験の性質上どうしても電卓を使用して問題を解くケースが非常に多いです。電卓を使う問題はどうしても場所を選びます。そのため、アプリを使用して勉強したとしても、家で電卓をたたくような場面は多々発生すると思います。
メリット
・どこでも勉強できる
・隙間時間を活用できる
・お金をかけずに始めることができる
デメリット
・アプリが試験範囲全てをカバーしているか調べる必要がある
・実際の試験は紙で行うため、直前の試験対策は紙ベースで行う必要がある
・スマホの場合画面が小さいため、人によっては勉強しずらいを感じる
どの勉強法にするか迷ったら
ここまで記事を見ていただいてもまだどの勉強法を取り入れるか迷う場合は、どのような目的の為に簿記検定を勉強するかによって勉強法を決めることをお勧めします。
仕事で使うから勉強するという方は専門学校等に通って勉強することをお勧めします。
なぜなら簿記の知識を仕事で使う場合はできるだけ体系的に理解し、使える知識にする必要があるからです。
簿記の知識を勉強して仕事で使うことが前提のため、独学で勉強した場合に仕事でよく使う分野の知識が抜け落ちる可能性があります。
就職活動や会社の昇進の為に簿記検定を勉強する方は、独学で勉強することをお勧めします。
なぜなら就職や会社の昇進というのは必ずしも簿記の知識を仕事に使うわけではないからです。就職して経理部等の簿記の知識を使用して仕事をする部署に配属される場合は専門学校に通った方が良いですが、独学の方が自分のペースで勉強することができ、アプリを使用すれば移動時間も勉強時間とすることができるので、かなり短期間で簿記検定を取得することができます。