サイバー攻撃の急速な増加と手口の高度化の影響によって創設された情報処理安全確保支援士試験。
情報処理技術者試験の高度試験で最も受験者数が多く、唯一の国家資格(登録セキスペ)の申請条件にもなっています。
そんな情報処理安全確保支援士は応用情報技術者や基本情報技術者と比べて資格講座を開いている学校などが少なく、なかなか比較検討をすることができないのが現状です。
今回は数少ない情報処理安全確保支援士の対策講座の中からおすすめの講座をそれぞれの特徴を解説しながらご紹介いたします。
本記事の内容
- 情報処理安全確保支援士のおすすめ講座
- 各講座の特徴・価格
- 講座の選び方
情報処理安全確保支援士のおすすめ講座
- 資格の大原
- TAC
- iTEC
最大手の資格学校 資格の大原
基本情報
- 創業:1957年
- 運営会社:学校法人大原学園
講座情報
- 情報処理安全確保支援士 直前対策講座 Web通信:20,000円(税込)
- 情報処理安全確保支援士 総合本コース:71,200円(税込)
- 情報処理安全確保支援士 午前Ⅰ免除者コース:50,900円(税込)
※大原学園グループに初めてお申し込みの場合は入学金6,000円(税込)が別途発生します。
資格の大原の特徴
- 万全のフォロー体制
- 講義動画をダウンロード
- 独学者用コースも魅力的
万全のフォロー体制
大原では情報処理関連講座の専用お問い合わせ窓口として情報処理職員室が設けられています。
直接の質問はもちろんのこと、電話やメール、Web会議システム・Zoomを活用した質問も可能であり、安心して勉強に集中することができます。
予習・復習用に自習室や教室を開放しており、「自宅では勉強に身が入らない!」という方でも集中して勉強できる場所を提供しています。
講義動画をダウンロード
大原で開講している講義動画はアプリ(合格Webアプリ)にダウンロードすることができ、自宅のWifiなどでダウンロードしておけばデータ容量を気にせずにどこでも動画を再生することができます。
最大2倍速まで速度をあげて試聴することができるため、復習時や通勤時の聞き流しなどに非常に便利です。
通信講座のようにスマホで勉強できる環境と、通学講座の強みである勉強スペースの確保という利点を兼ね備えているため、安心して勉強できる環境を重視している方にはおすすめの講座を言えるでしょう。
独学者用コースも魅力的
大原では午前Ⅰの試験対策から始める「総合本コース」と応用情報技術者に合格している方などに向けた「午前Ⅰ免除者コース」の2種類の他に、独学で情報処理安全確保支援士を勉強している方向けの「直前対策コース」があります。
午後試験の頻出テーマについての解説や理解度チェックなどを行う重要論点総まとめと模擬試験がセットになっており、「独学で勉強してきたけどあと一歩届かない」という方向けのカリキュラムが組まれています。
実務などで既にある程度知識を獲得しているITエンジニアの方については、独学で足りていない部分を学習し、直前対策コースを受講して短期合格を目指すといううやり方もできるでしょう。
春期試験全5区分・秋期試験全5区分に対応 TAC
基本情報
- 創業:1980年12月
- 運営会社:TAC株式会社
講座情報
- 本科生プラス Web通信講座+DL:100,000円(税込)
- 本科生プラス DVD通信講座+DL:110,000円(税込)
- 本科生 Web通信講座+DL:90,000円(税込)
- 本科生 DVD通信講座+DL:100,000円(税込)
- 本科生(午前Ⅰ試験免除) Web通信講座+DL:75,000円(税込)
- 本科生(午前Ⅰ試験免除) DVD通信講座+DL:85,000円(税込)
※TACの0から始まる会員番号をお持ちでない場合は10,000円(税込)が別途発生します。
TACの特徴
- 論述式対策も丁寧に添削
- ブランクがある人でも安心
論述式対策も丁寧に添削
情報処理安全確保支援士試験の午後Ⅰと午後Ⅱは記述式の問題が出題されます。そのため、「AときたらB」といった暗記で乗り切れる試験ではありません。
TACでは「合格答案作成力」を身につけることに重きを置いており、TACの講師による丁寧な添削指導を受けることができます。
「自分の解答に足りない部分は何か?」「出題者の意図に沿っているか?」といった自己採点では分かりずらい部分を第三者の立場からしっかり教えてもらえるというのは、午後試験対策において大きなメリットとなるでしょう。
ブランクがある人でも安心
情報処理安全確保支援士に挑戦したいけど応用情報技術者に合格してからかなり時間が空いてしまった、という方もいらっしゃるでしょう。
TACの「本科生プラス」では応用情報技術者試験対策テキストⅠ・Ⅱ・Ⅲのテキストが配布されるため、しっかり復習しながら学習を進めることができます。
応用情報技術者試験の合格から2年以上が経過し、午前Ⅰ試験も受験しなければならなかったとしても、テキストを見て思い出しながら学習できるというのはIT関連から少し離れてしまっている人でも安心できるでしょう。
35年以上のノウハウを凝縮 iTEC
基本情報
- 創業:1983年
- 運営会社:株式会社アイテック
講座情報
- 情報処理安全確保支援士 スタンダードコース:48,400円(税込)
- 情報処理安全確保支援士 午前Ⅰ免除コース:45,100円(税込)
- 情報処理安全確保支援士 午後Ⅰ・Ⅱ対策コース:39,600円(税込)
- 情報処理安全確保支援士 合格ゼミ 直前対策講座:26,378円(税込)
※お申し込みのタイミングやキャンペーンなどによって価格が変動する場合があります。
iTECの特徴
- 35年分のノウハウを凝縮
- 通信講座で低価格を実現
35年分のノウハウを凝縮
iTECは1983年に創業して以来、IT技術者育成の専門事業者として35年以上の歴史があり、法人向けサービスも延べ法人約8,000団体、90万人の方々の利用実績があります。
情報処理技術者試験の全ての試験区分に対応しており、情報処理安全確保支援士以外の資格試験も視野に入れている方には利便性が高いと言えるでしょう。
高校でもiTECのサービスを取り入れている事例があり、信頼と実績を兼ね備えたカリキュラムは着実に合格へと導いてくれるでしょう。
通信講座で低価格を実現
iTECでは自社で出版している書籍を元にeラーニングで講義を行う形式であるため校舎などの維持費がかからず、他社と比べて低価格の受講費用を実現しています。
情報処理安全確保支援士の資格講座の中では破格の安さとなっており、大手の資格学校の3〜5割程安くなっています。
通信講座であるため、自分で勉強スペースなどを確保しなければならない点や講師への質問はメールでの対応になる点などを考慮する必要があります。
自分の家の近くに資格学校がない方や資格の勉強にあまりお金をかけられない人にはおすすめの講座です。
講座の選び方
- 受講したことがある資格学校がある場合は変えない方が良い
- 合格をイメージできる講座か
受講したことがある資格学校がある場合は変えない方が良い
これまで資格試験の勉強でどこかの資格学校を利用したことがある方は、できるだけ同じ資格学校を利用するようにしましょう。
資格学校を変えてしまうと「この講座は自分には合わないな…」と感じてしまうリスクが高く、勉強のモチベーションが下がってしまう可能性があります。
以前受講した講座に不満を感じている場合や情報処理安全確保支援士講座を開講していない場合は他の資格学校を検討すべきですが、特に問題もなく合格まで辿り着いた経験がある場合は挫折リスクを抑えるためにも同じ資格学校を利用するようにしましょう。
合格をイメージできる講座か
「この講座がいいかな」と思い始めたらまずは資料請求をしてみましょう。
講座の詳細などについては公式HPで記載されていない場合があり、送付されてきた冊子を確認することによって「この講座を受講した自ら合格できそうかな?」ということをイメージすることができるでしょう。
また、講座によっては「今なら資料請求してくれた方に講座費用の10%をお値引きします」といったものや、送付されてきた資料の中に「2,000円割引券」などの割引券が入っていることがあります。
できるだけお得に受講したいという方や複数の講座をしっかり比較検討したいという方は、それぞれの講座の資料を請求してみるのも良いでしょう。
まとめ
情報処理安全確保支援士の創設には「社会のIT依存度の高まり」と「サイバー攻撃の増加・高度化」が背景にあります。
情報処理技術者試験の中で唯一の国家資格である登録セキスペを創設し、定期的な講座の受講を義務付けるなど、明らかに高度試験の中では別格の扱いをしています。
経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、「20年に国内で19万3000人、情報セキュリティ人材が不足する」と予想するなど、多くの企業でもセキュリティ分野に明るい人材を欲していることが分かります。
情報処理安全確保支援士を取得すれば将来的にも求められる人材となるでしょう。
本記事のまとめ
- 各講座ごとに特徴があるため、「合格をイメージできるか」視点で検討しよう
- 情報処理安全確保支援士は市場の評価が高く、将来的にも需要がある
皆様が情報処理安全確保支援士に合格することをお祈りいたします。