「簿記検定を勉強したいけど何級から勉強すればいいのかな?」
「簿記2級は価値がある!って聞いたけどいきなり2級から勉強してもいいのかな?」
簿記検定は会計の資格で最も有名であり、他の資格試験と比較しても非常に知名度が高い資格です。
大学生や新社会人であれば必ずと言って良いほど耳にすると思いますが、どの級がどのくらいの難易度でどこから勉強すれば良いか迷うと思います。
さらに、「簿記検定」とひとことで言っても3種類あり、それぞれ大きく難易度が異なってきます。
今回は各簿記検定を解説しながら、どこから勉強を始めれば良いのか?、どの級に合格すれば評価されるのか?ということについて、筆者の経験などを交えながら解説いたします。
本記事の内容
- 簿記検定の種類
- 簿記検定の勉強の始め方
- 評価される級はどこからか
- 簿記3級と2級のダブル受験について
簿記検定は3種類ある
各検定の概要
検定名 | 主催 | 主な受験者 |
日商簿記検定 | 日本商工会議所 | 学生・社会人 |
全商簿記検定 | 全国商業高等学校協会 | 商業高校生 |
全経簿記検定 | 全国経理教育協会 | 経理専門学校生 |
各級の難易度と勉強目安時間
検定名 | 勉強目安時間 | 合格率 | 難易度レベル |
日商簿記 1級 | 700時間 | 約10% | |
日商簿記 2級 | 300時間 | 約20% | |
日商簿記 3級 | 100時間 | 約50% | |
全商簿記 1級 | 200時間 | 約40% | |
全商簿記 2級 | 100時間 | 約50% | |
全商簿記 3級 | 50時間 | 約55% | |
全経簿記 上級 | 700時間 | 約16% | |
全経簿記 1級 | 200時間 | 約50% | |
全経簿記 2級 | 100時間 | 約50% | |
全経簿記 3級 | 50時間 | 約60% |
ココがポイント
簿記検定は日商簿記検定・全商簿記検定・全経簿記検定の3種類があります。
それぞれ主催している団体が違い、主に受験する層が異なります。
しかし、一般的に「簿記検定」とだけ言った場合は日商簿記検定を指すことが多いでしょう。
会社によっては全商簿記や全経簿記などの資格試験を知らない場合もあり、学生の方でなければ日商簿記を勉強した方が良いでしょう。
ちなみに、日商簿記1級と全経簿記上級だけは税理士試験の受験資格となっており、公認会計士や税理士といったさらに上位の資格を狙う場合はこれらの資格試験を腕試しとして受験する人が多いです。
初心者はまず日商簿記3級から勉強しよう!
日商簿記3級の受験者数と合格率
回(試験日) | 受験者数 | 合格率 |
160(2022.2.27) | 52,649名 | 50.9% |
159(2021.11.21) | 58,025名 | 27.1% |
158(2021.6.13) | 58,070名 | 28.9% |
157(2021.2.28) | 70,748名 | 67.2% |
156(2020.11.15) | 77,064名 | 47.4% |
155(2020.6.14) | 中止 | |
154(2020.2.23) | 100,690名 | 49.1% |
153(2019.11.17) | 99,820名 | 43.1% |
152(2019.6.9) | 91,662名 | 56.1% |
151(2019.2.24) | 104,357名 | 55.1% |
簿記検定をまだ勉強したことがない場合はまず日商簿記3級から勉強した方が良いでしょう。
日商簿記3級は入門資格に位置付けられており、難易度もそこまで高くありません。
合格率は50%前後であり、勉強期間も1ヶ月〜となっています。
日商簿記3級は簿記の中で基礎的な問題が出題され、小規模の企業で発生する仕分けや会計処理が出題されます。
ココがポイント
3級は高校生や大学生でも取得する人が多く、社会人でも仕事の合間に勉強して取得することも可能です。
家族経営の企業や小規模の商店などで経理知識を活かして仕事をする場合は活躍する資格となるでしょう。
たまに日商簿記2級から勉強する人もいますが、基礎となる知識を飛ばしてしまう可能性があるため、3級から勉強することをおすすめします。
しかし、経理担当者として中規模以上の企業で働きたいと考えている人は少し知識に物足りなさが生じてしまうため、上位の日商簿記2級レベルの資格取得を推奨します。
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日商簿記2級に合格すれば評価される
日商簿記2級の受験者数と合格率
回(試験日) | 受験者数 | 合格率 |
160(2022.2.27) | 21,974名 | 17.5% |
159(2021.11.21) | 27,854名 | 30.6% |
158(2021.6.13) | 28,572名 | 24.0% |
157(2021.2.28) | 45,173名 | 8.6% |
156(2020.11.15) | 51,727名 | 18.2% |
155(2020.6.14) | 中止 | |
154(2020.2.23) | 63,981名 | 28.6% |
153(2019.11.17) | 62,206名 | 27.1% |
152(2019.6.9) | 55,702名 | 25.4% |
151(2019.2.24) | 66,729名 | 12.7% |
初めて簿記を勉強する場合は日商簿記3級が良いですが、3級は入門資格と認識されるため、「評価される資格」を狙うのであれば日商簿記2級が良いでしょう。
日商簿記2級は中規模以上の企業で実際に発生する会計処理や仕分けが出題され、より実務に近い知識を学習することができます。
近年では連結会計まで試験範囲となり、大規模企業にも対応できる資格としてさらに注目されるようになりました。
ココがポイント
大学推薦や採用選考時などでも評価される資格であり、あなたは「会計が分かる人」という認識をされることでしょう。
日商簿記2級は難易度が少し高く、合格率も20%程度となります。
勉強期間も基本的には3ヶ月〜半年程度となり、しっかりと勉強スケジュールを立てて学習しなければなりません。
学生の方などは多くの時間を勉強に投下することができるため、人によっては1ヶ月程度で合格する場合もありますが、基本的には数ヶ月かかるでしょう。
簿記3級・2級のダブル合格を狙う方法もある
簿記3級と2級はダブル受験することができ、現在はネット試験も普及されているため、比較的受験しやすい資格試験と言えるでしょう。
今はネット試験が普及しているため、自分で試験日を設定し、それに向けて勉強すれば短期間で二つの級に合格することは可能です。
詳しくは別の記事にて解説いたしますので、下記の記事をご覧ください。
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さらに上の資格を狙う場合は
日商簿記2級が一般的に難易度がそこまで高くなく、かつ評価される検定として広く認知されていますが、さらに上を目指す人は1級を目指すことになります。
日商簿記1級は2級に比べてはるかに難易度が高く、勉強期間も1年前後と長期間勉強することになります。
税理士試験や公認会計士試験の「登竜門」として知られている日商簿記1級であり、それだけ評価されやすい資格とも言えるでしょう。
国家試験並みの難易度ですが、日商簿記1級を持っていないとできない仕事というのはないため、「日商簿記1級を取って自分の価値を高めよう」という人よりは、「公認会計士や税理士を目指す中で日商簿記1級も取っておこう」という考え方をしている方におすすめと言える資格です。
日商簿記1級は独学で合格することが難しく、もし狙うのであれば簿記講座を受講することをおすすめします。
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無理せず着実に勉強していこう
今回は簿記検定を勉強するならどの級から勉強すれば良いかについて解説しました。
簿記検定は多くの会社や学校で取得が推奨されている資格試験であり、経理の仕事をしたことがない人であっても聞いたことがある人が多いほど有名です。
難易度も忙しい社会人や学生の方でも時間をかければ取得できる難易度となっているため、取っておいて損はないでしょう。
とはいいつつも日商簿記2級などは3ヶ月〜半年ほどの勉強期間となるため、無理せず着実に勉強していくようにしましょう。
本記事のまとめ
- 初心者はまず日商簿記3級から始めよう
- 日商簿記2級から評価される資格になる
- ネット試験を活用すれば短期合格や2級・3級ダブル合格も狙える
- 日商簿記1級はさらに上を目指す人におすすめ
みなさんが合格することをお祈りしています。