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ITスキルが身に付く資格はこれ!ITスキルと資格試験の関係を解説

ITスキルを身につける方法は様々です。IT企業で技術を磨いたり実際にシステムを開発したりという方法もありますが、資格を取得することもその一つです。

IT関連の資格は種類が非常に多く、「どれを取ればいいか分からない」と悩む方も多いでしょう。

今回はITスキルの定義とIT系資格の中で有名な情報処理技術者試験とベンダー系資格をご紹介いたします。

本記事の内容

  • ITスキルレベルとは
  • 有名なIT系資格試験の概要
  • どの資格を取得すれば良いか

ITスキルのレベルについて

引用:情報処理推進機構 ITスキル標準V3

レベル 共通レベル定義
社内外にまたがり、テクノロジやメソドロジ、ビジネス変革をリードするレベル。 市場への影響力がある先進的なサービスやプロダクトの創出をリードした経験と実績を持つ世界で通用するプレーヤ。
社内外にまたがり、テクノロジやメソドロジ、ビジネス変革をリードするレベル。 社内だけでなく市場から見ても、プロフェッショナルとして認められる経験と実績を持つ国内のハイエンドプレーヤ。
社内において、テクノロジやメソドロジ、ビジネス変革をリードするレベル。 社内で認められるハイエンドプレーヤ。
一つまたは複数の専門を獲得したプロフェッショナルとして、専門スキルを駆使し、業務上の課題の発見と解決をリードするレベル。 プロフェッショナルとして求められる、経験の知識化とその応用(後進育成)に貢献する。
要求された作業を全て独力で遂行するレベル。 専門を持つプロフェッショナルを目指し、必要となる応用的知識・技能を有する。
要求された作業について、上位者の指導の下、その一部を独力で遂行するレベル。 プロフェッショナルに向けて必要となる基本的知識・技能を有する。
要求された作業について、上位者の指導を受けて遂行するレベル。 プロフェッショナルに向けて必要となる基本的知識・技能を有する。

参考:情報処理推進機構 IT人材の育成 共通レベル定義

経済産業省の人材育成ワーキンググループが作成した「共通キャリア・スキルフレームワーク」によると、ITスキルは7段階に分けられます。

この表によるとレベル1〜4については独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験が対応しており、この資格を取得することによってITスキルの知識や技能を習得することができるでしょう。

情報処理技術者試験は国家試験であり、毎年30万人以上も受験している人気の資格試験です。

引用:情報処理推進機構 IT人材白書

情報処理技術者試験は多くの企業で従業員のITスキルを把握する指標として活用しており、「資格試験を取っても評価されない」といったことも他の資格試験と比べて起きにくいことが考えられます。

また、各社で独自に評価基準を設けている企業も多く、既にIT企業で働いている方についてはどのような資格が評価されるか確認するようにしましょう。

情報処理技術者試験について

IT化が進んだ現代の基礎知識を習得 ITパスポート

試験日 随時(試験会場ごとに実施)
試験時間 120分
受験料 5,700円(税込)
合格率 50%前後

情報処理技術者試験のレベル1に該当するITパスポートは全ての職業人が備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識が問われます。

ITパスポートの対象者像がIT人材ではなく職業人であるところが特徴であり、IT業界以外で働く人であっても習得しておくべき内容が問われます。

各企業や大学などで評価され、採用選考・入試優遇・推薦基準・単位認定・社内の人事評価基準など多くの場面で活用することができます。

ITの入門資格とはいえ国家試験です。合格率は50%前後であるため、しっかり勉強しなければ合格することができないでしょう。

しかし、ITパスポートはITに関する基礎的な知識を習得していることを証明する資格であるため、IT業界に就職・転職して働きたい場合は基本情報技術者を目指すことをおすすめします。

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ITエンジニアの登竜門 基本情報技術者

試験日 年2回(4月・10月)
試験時間 午前試験:150分
午後試験:150分
受験料 5,700円(税込)
合格率 25%前後

情報処理技術者試験のレベル2に該当する基本情報技術者はITエンジニアの登竜門として有名な資格試験です。

IT人材になるための基礎的な知識・技能が問われ、上位者の指導の下で業務を遂行できるレベルを想定されています。

このレベルになるとIT業界へ就職・転職する際に「この人はITに関する基礎的な知識は身に付けているな」という評価になりやすいと言えるでしょう。

しかし、IT業界では主に資格試験より業務経験が問われることが多いため、基本情報技術者に合格したからといって経験者と形を並べるとまではいかないでしょう。

とはいえ、IT業界で働きたい人の足掛かりとなるため、多くの人が受験する資格試験の一つになっています。

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高度IT人材への挑戦 応用情報技術者

試験日 年2回(4月・10月)
試験時間 午前試験:150分
午後試験:150分
受験料 5,700円(税込)
合格率 20%前後

情報処理技術者試験のレベル3に該当する応用情報技術者はIT人材になるための応用的知識・技能が問われ、より専門的な内容が出題される資格試験です。

既にIT業界で仕事をしていてITの知識を体系的に学びたいITエンジニアや基本情報技術者よりももっと高度で専門的な知識を習得したいという方が受験することが多く、昇進・昇格基準などの人事評価基準として採用されていることもあります。

IT企業では会社からの指示で取得することもあり、IT人材としてのステップアップができる資格試験と言えるでしょう。

受験者層も学生や新社会人ではなくベテランのITエンジニアなどが主になってくるため、合格率だけ比べると基本情報技術者とあまり変わらない印象が受けますが、難易度はグッと上がっています。

高度IT人材として専門分野を確立 高度試験

試験日 年1回(春期もしくは秋期)
試験時間 午前Ⅰ:50分
午前Ⅱ:40分
午後Ⅰ:90分
午後Ⅱ:120分
受験料 5,700円(税込)
合格率 15%前後

情報処理技術者試験のレベル4に位置する高度試験は各分野の専門的な内容が問われる試験になります。

高度試験は現時点(2021年6月時点)で9種類あり、高度IT人材として確立した専門分野を持っている人に向けた資格試験です。

極めて高度な内容が問われ、主な受験者層がベテランのITエンジニアでありながら合格率15%前後という難関試験です。

ITスキルのレベル4に該当する資格試験ではありますが、このレベルになると知識や技能だけでなくこれまでの実績等も問われ、高度試験の合格を持ってレベル4に該当すると判断されることはあまりないでしょう。

もしあなたがITの資格試験を持って就職・転職をしたいのであればこのレベルまで取得する必要はないかもしれません。

ベンダー系資格について

ベンダーとは販売会社のことを指し、ベンダー系の資格試験とは特定の製品・サービスなどに関する知識や技能が問われるものを言います。

有効期限が設けられていて更新が必要なものが多く、資格を保有し続けるためには勉強し続ける必要があるでしょう。

ベンダー系の資格試験は非常に種類が多いため、今回はその中で有名なものをご紹介いたします。

Amazonが運営するクラウドサービスの認定資格 AWS認定試験

試験日 随時
試験時間 90〜170分(試験ごとに異なる)
受験料 Fundational:11,000円(税別)
Associate:15,000円(税別)
Professional・ Specialty:30,000円(税別)
合格率 非公表

AWSとはAmazon Web Servicesの略称であり、Amazonが提供しているクラウドサービスの一つです。サーバやデータベースの構築、機械学習、Iot、5G通信などの先端技術に関するサービスも提供しており、世界的に導入・活用されています。

この100を超えるサービスを専門的に学習できる資格試験をAWS認定試験といいます。

AWS認定試験には3つのレベルがあり、種類も10以上あるため、自分が担当している仕事に関連する試験を受験する人が多いでしょう。

また、AWSは世界的に活用されているため、自分の技術力の証明として取得する人もいます。

データベース製品世界No.1企業の認定資格 オラクルマスター

試験日 随時
試験時間 試験ごとに異なる
受験料 試験内容・受験形式による
合格率 非公表

オラクルマスターとは日本オラクル社が提供する「Oracle Database」に関する技術力を認定する資格試験です。

2003年の改訂で国外で実施されているOracle Certification Program (OCP) とも連携が取れるようになり、世界共通の資格となりました。

データベース製品で長年世界シェアNo.1を誇っており、日本だけでなく世界でも通用する知識を身につけることができます。

プログラマーに馴染み深いJavaの認定資格 オラクル認定Java資格

試験日 随時
試験時間 180分
受験料 Bronze:13,600円(税抜)
Silver:26,600円(税抜)
Gold:26,600円(税抜)
合格率 非公表

オラクル認定Java資格とは日本オラクル社が認定するプログラマーには馴染みが深いJava言語に関する資格です。

Bronze・Silver・Goldの3つのレベルがあり、履歴書で評価されやすいのはSilver以上と言われています。

BronzeであればITエンジニア未経験でも勉強すれば取得できる難易度であり、気軽にチャレンジできる資格でもあります。

仕事でJava言語を使用したことのあるエンジニアが自身のレベルを証明するために取得することが多いため、IT業界内で転職する場合は重宝する資格と言えるでしょう。

マイクロソフト社の有名資格 Microsoft認定資格プログラム

試験日 随時
試験時間 60〜180分
受験料 Fundamentals:13,600円(税抜)
Fundamentals以外:26,600円(税抜)
合格率 非公表

Microsoft認定資格プログラムはマイクロソフトが実施している同社の製品に関する知識が問われる資格試験です。

数年ごとに資格体系が数年ごとに再編されており、現在(2021年6月時点)では5つの製品群と3つのレベルがあります。

マイクロソフトの製品に関する知識を深めることができるため、同社の製品を取り扱っているIT技術者が主に取得しています。

Microsoft認定資格プログラムはよくマイクロソフトオフィススペシャリスト試験と間違われることがありますが、別の試験になります。

ネットワークエンジニアなら誰もが知っている シスコ技術者認定プログラム

試験日 試験会場・試験形式による
試験時間 試験により異なる
受験料 試験により異なる
合格率 非公表

シスコ技術者認定プログラムとはネットワークに関する資格試験であり、世界共通基準のベンダー資格です。

シスコシステムズ社が認定する資格であり、エントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパートの4種類用意されています。

この資格もIT技術の進化とともに定期的に資格体系が見直されており、3年ごとに更新しなければならないため、最新の知識を有していることを証明できるでしょう。

どの資格を取得すれば良いか

IT系資格試験は種類が非常に多く、IT関連の仕事に携わったことがない人には「どれを勉強すればいいだろう」と思ったことでしょう。

ここではどんな人がどの資格を取得すれば良いかということについて解説いたします。

  • 未経験だけどIT業界に就職・転職したい → 情報処理技術者試験
  • ITに関する幅広い知識を習得したい → 情報処理技術者試験
  • 自分が担当している製品・サービスの知識を深めたい → ベンダー系資格
  • 特定の製品・サービスに関する知識を深めたい → ベンダー系資格

情報処理技術者試験はITに関する知識を幅広く学習し、ベンダー系の資格は特定の製品・サービスを深く学習するという特徴があります。

このような特徴から、ベンダー系資格は自社の取扱製品、もしくは担当している製品に関する資格を取得する傾向にあり、会社員として働きながら勉強する人が多いと考えられます。

一方、情報処理技術者試験はITに関する知識を幅広く学習できるため、IT系の資格を勉強したことがない人や既にIT企業で働いていて体系的な知識を習得したい人に合っている資格と言えるでしょう。

まとめ

今回はIT系の資格試験について解説しました。

たまに「IT系の資格試験は取っても意味がない」ということを耳にすることがありますが、活用できる場面がないと確かに意味がなくなります。

他の資格試験にも言えることですが、資格を取ったからと言って何かできるということはありません。

しかし、特定の分野に関する知識や技能を有しているため、仕事を理解する早さ・実務での応用力・議論内容の理解力・新しい課題に対する提案力などにおいては段違いになります

資格を取って終わりにするのではなく、「この資格を取ったらどのように活用するか?」ということまでイメージしてみましょう。

この記事のまとめ

  • ITスキルはレベル1〜7まである
  • 情報処理技術者試験はITスキルのレベル1〜4に対応している
  • 自分がどうなりたいかをイメージして取得する資格を選ぼう

皆様が資格試験に合格することをお祈りしています。

  • この記事を書いた人

ミズサワ

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