簿記・会計

簿記3級と2級って何が違うの?【難易度・目安勉強時間・活用場面をご紹介します】

悩む人
簿記検定には3級や2級があるみたいだけど何が違うの?

これから簿記を勉強してみたい方に多い悩みがこういったものだと思います。

今回はこちらの悩みを解決するべく、様々な面から簿記3級と簿記2級の違いを解説いたします。

オンライン資格講座 【スタディング】

簿記3級と2級って何が違うの?

日商簿記検定には執筆時点で

・1級

・2級

・3級

・簿記初級

・原価計算初級

というものがあります。

以前は簿記4級というものがありましたが、現在は廃止され、新たに簿記初級と原価計算初級というものができました。

簿記初級や原価計算初級のみネットで受験することができ、気軽に受験できるようになっています。

簿記を初めて勉強する方はまず簿記3級を受験することが多く、最終的には簿記2級を取得することも目標にする方が多いと思います。

今回は簿記3級と2級の違いを次の点から解説していきます。

ポイント

・試験内容の違い

・難易度の違い

・活用場面の違い

試験内容の違い

商工会議所によると簿記3級の試験範囲は、

簿記の基本原理

・基本概念 ・取引 ・勘定 ・帳簿 ・証ひょうと伝票

諸取引の処理

・現金預金 ・売掛金と買掛金 ・その他の債権と債務 ・手形

・債権の譲渡 ・引当金 ・商品 ・有形固定資産 ・収益と費用

・税金

決算

・試算表の作成 ・精算表(8桁) ・決算整理 ・決算整理後残高試算表

・収益と費用の損益勘定への振替 ・純損益の繰越利益剰余金勘定への振替

・帳簿の締切 ・損益計算書と貸借対照表の作成

株式会社会計

・資本金 ・利益剰余金 ・剰余金の配当

となっています。

簿記を勉強したことがない方であれば見ても「なんのこっちゃ?」となると思います。

そのような方は、簿記3級は中小企業向けの簿記に関する基礎知識が問われる」「簿記2級は商業簿記・工業簿記において経営管理者等に適切に報告できる」と覚えてください。

また、2019年度の試験範囲の改正でこれまで個人商店の簿記が問われていたが、株式会社の簿記が問われるようになりました。

キャッシュレス化やペーパーレス化などに関する問題も出題されるようになり、時代の流れに沿った出題内容となりました。

よって、実際に実務で伝票処理や決算業務を行う方にとってもより魅力的な検定になりました。

一方、簿記2級は3級の試験範囲をより深く問われ、かつ以下の内容が試験範囲に追加されます。

・有価証券の処理・評価等

・無形固定資産の処理・評価等

・投資その他の資産の処理・評価等

・リース取引に関する処理等

・外貨建て取引の処理等

・税効果会計

・資本剰余金・利益剰余金等の処理

・本支店会計

・連結会計

さらに、簿記2級は工業簿記も試験範囲となり、工場で行う会計も試験範囲となります。

工業簿記は企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能で、経営管理に必須の知識となります。

工業簿記の試験範囲には以下のようなものがあります。

・工業簿記の本質・基本

・原価の意義・要素・種類・態様

・原価計算の意義・目的・種類・形態・手続き

・工業簿記の構造

・材料費計算

・労務費計算

・経費計算

・製造間接費計算

・部門費計算

・個別原価計算

・総合原価計算

・標準原価計算

・原価・営業量・利益関係の分析

・原価予測の方法

・直接原価計算

・製品の受払い

・営業費計算

・工場会計の独立

これらの試験範囲は実際に工場を持っている会社で導入されている会計手法も含まれているため、メーカーなどに就職する方などはすぐに使える知識となります。

難易度の違い

次にそれぞれの級の目安勉強時間についてですが、簿記3級は約100時間、簿記2級は約300時間と言われています。

簿記3級と2級は同時に受験ができるため、ダブル受験のために同時並行で勉強する人もいます。

簿記3級は基本的な簿記の知識が問われ、合格率も約50%で推移していることもあり難易度はそこまで高くないでしょう。

簿記3級の目安勉強時間は下記のとおりです。

簿記3級の目安勉強時間

  • 専門学校に通って勉強する方は2か月~6か月程度
  • 独学で勉強する方は1か月~6か月程度

簿記3級は時間がある方は独学で1か月程度で取得することもできます。

社会人の方でも仕事をしながら勉強する方も多くいます。中には会社から取得するように指示される方もいるでしょう。

一方、簿記2級は合格率が約20%程度ということもあり、しっかり勉強しないと取得できない印象があります。

簿記2級の目安勉強時間

  • 専門学校に通って勉強する方は2か月~6か月程度
  • 独学で勉強する方は3か月~6か月程度

勉強期間としては簿記3級と大して変わらないのではないかという印象を受けるかもしれませんが、勉強量としては簿記3級の倍以上と考えてよいでしょう。

専門学校のコース内容を見ても簿記3級より2級の方が講義の回数が倍以上あり、しっかり勉強しないと合格は難しいでしょう。

簿記2級については商業簿記・工業簿記が試験範囲となり、求められるレベルとしては経営管理者に対して適切かつ正確な報告を行うことができるようになることなので、

ある程度の水準まで深い知識が求められると考えてよいでしょう。

他の級や全商簿記・全経簿記などの難易度も知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

簿記を勉強するためには【勉強法】

目次1 簿記を勉強するためには2 簿記検定について3 簿記の難易度4 勉強方法4.1 テキストと問題集を購入して独学で勉強4.2 専門学校で簿記検定取得コースを受講する4.3 スマホアプリで勉強する5 ...

続きを見る

簿記の講座等を知りたい方は下記の記事で紹介していますので、気になるものがあれば資料請求してみてください。

簿記学校・講座はどれがいいの?【各講座の強みをご紹介します・おすすめ・比較・始め方】

目次1 簿記学校・講座はどれがいいの?2 簿記学校2.1 大原学園2.2 資格の学校 TAC3 通信講座3.1 クレアール3.2 オンラインスクール3.3 スタディング3.4 アカウンタンツライブラリ ...

続きを見る

活用場面の違い

簿記3級と2級の活用場面はかなり違います。

簿記3級については「簿記の基本を理解している」という評価となり、簿記2級については「簿記について一通り理解している」という評価になります。

もし就職活動や転職活動で簿記を武器として使いたい方は簿記2級の取得を目指すとよいでしょう。

また、簿記検定を自分のスキルの+αくらいに考えている方は簿記3級でもよいでしょう。

簿記検定は活用できる場面がかなりあります。

高校生や大学生であれば内申点の向上、就職活動・転職活動では企業選び、会社員として仕事をしていくと経理資料や決算資料を見て分析することができます。

会社で昇進して管理職や役員になれば自分が管轄している部署の材料費・労務費・経費の管理に有用です。

詳しくはこちらの記事で解説していますので是非ご覧ください。

簿記3級を取得するメリット【簿記3級とは・メリット・活かせる仕事・活用できる場面】

目次1 簿記3級とは2 簿記3級を取得するメリット2.1 就職・転職活動に有利2.2 大学推薦時に有利2.3 企業の財務諸表がある程度読めるようになる2.4 企業の経理部で行っている仕訳や伝票を見て理 ...

続きを見る

最後に

簿記検定は経理の担当者だけでなくどの職種にも活用できる資格です。

筆者が特にお勧めするのは就職活動や転職活動する前に簿記検定を取得し、財務諸表を分析しながら企業選びができるようになることです。

誰しも就職や転職した企業がすぐに倒産することは避けたいでしょう。

簿記の知識を身に付けて財務分析ができるようになればこのようなことは避けることができます。

むしろ「隠れた優良企業」を見つけ出すことができ、素晴らしい会社に入社できるチャンスもつかめます。

学生の方でも社会人の方でも活用できる資格なので、取っておいて損はしないですよ。
シズ

どの資格もそうですが、使わないと宝の持ち腐れです。

簿記検定は幸いどの環境の人でも有用に活用することができるので、宝の持ち腐れになることは非常に少ないです。

簿記検定に興味を持たれた方は簿記3級から勉強してみてはいかがでしょうか。

資格の大原

  • この記事を書いた人

シズ

簿記・会計×ITのお役立ち情報を配信します! 自分の経験や勉強してきた内容などをもとに更新しています 実績☆ 簿記×会計:日商簿記1級合格、大学対抗簿記大会で全国大会優勝 IT:応用情報技術者試験合格、IT簿記選手権大会FE部門で全国大会準優勝

-簿記・会計

© 2024 シズの知識倉庫 Powered by AFFINGER5