IT 基本情報技術者

【合格者が教える!】基本情報技術者に合格する人の勉強法

「基本情報技術者に最短で合格したい!」

「基本情報技術者の勉強を効率化させたい!」

基本情報技術者試験の勉強を始めた方、もしくはこれから始める方はこのような思いを抱いている方は多いでしょう。

今回は筆者の基本情報技術者に合格した際の体験や周りの合格者の傾向を踏まえながら、どのように勉強すれば効率よく短期間で合格できるのか解説していきます。

本記事の内容

  • 基本情報技術者試験の概要
  • 効率良く点数を取る勉強法
  • 午前試験と午後試験の対策方法
  • 合格する人の特徴

基本情報技術者試験の概要

試験 内容
午前試験

試験時間:150分

出題数:80問

解答数:80問

解答形式:四肢択一

合格基準:100点満点中60点

 

出題内容

基礎知識や専門知識が問われる内容が多く、簡単な計算問題も出題される

問題の多くが専門用語に関する知識であり、「浅く広く」問われる傾向にある

午後試験

試験時間:150分

出題数:11問

解答数:5問

解答形式:多肢選択式

合格基準:100点満点中60点

 

出題内容

専門知識に加え、応用力や読解力が問われる問題が出題される

一つ一つの問題のボリュームが大きく、問題文が長い傾向にある

午前試験より深い知識や理解が必要だが、問われる分野がある程度決まっているため、「狭く深い」内容が出題される

基本情報技術者試験の午後試験概要

問題項目 変更前 配点 解答形式
問1 情報セキュリティ 20点 解答必須
問2〜問5 ソフトウェア・ハードウェア
データベース
ネットワーク
ソフトウェア設計
プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント
システム戦略
経営戦略・企業と法務
各15点 4問中2問選択
問6 データ構造及びアルゴリズム 25点 解答必須
問7〜問11 C言語
Java
Python
アセンブラ言語
表計算
25点 5問中1問選択

引用:情報処理推進機構 基本情報技術者試験 試験の概要

※上記の試験内容は2022年度までの内容であり2023年度からは新試験制度に変更となります。

基本情報技術者試験は100点中60点取れば合格することができ、午前試験であれば80問中48問正答で合格となります。

午後試験は問題によって配点が変わっており、アルゴリズムと個別プログラミングの問題の配点が高くなっています。

さらに、午前試験は小問形式で出題され、出題範囲も幅広いですが、午後試験は大問形式で出題され、問題ごとに出題分野が決まっています。

基本情報技術者試験に合格する方は試験の特徴に合わせた対策を行っている傾向があるため、しっかりと試験の内容や配点などを把握しておくようにしましょう。

基本情報技術者試験に合格する人の特徴

合格する人の特徴

  • 午前試験→午後試験の順に勉強する
  • 過去問を複数年分繰り返し解く
  • 午前試験は苦手分野を作らないよう意識する
  • 午後試験は配点を意識する
  • アウトプットに多くの時間を割く

基本情報技術者試験は午前試験と午後試験で出題形式が異なり、午前試験は出題範囲から平均的に出題されますが、午後試験については第◯問に◯◯分野の問題が出題される、というようにあらかじめ出題分野が分かっています。

さらに、これまでの試験を考えると過去問から似たような問題が出題されることも多く、中には半分ほど過去問から出題されたこともあります。

基本情報技術者試験に合格する人はこれらの傾向を踏まえてしっかり対策することによって、短期間でかつ効率よく合格しています。

それぞれの対策について、次の項目から詳しく解説していきます。

午前試験対策と午後試験対策は違う

午前試験対策

  • 単語や用語は単語カードなどを使って暗記する
  • 計算問題は問題集で演習する
  • 過去問で分からない問題があったらテキストに戻る

午後試験対策

  • 分からない問題は回答を見て理解する
  • 配点が高いアルゴリズムを集中的に勉強する
  • とにかく問題量をこなし、アウトプットを優先する

午前試験は広く浅く、午後試験は深く狭く対策する必要があります。

午前試験は基本的な問題が多く、150分で80問解かなければいけないため、1問にあまり時間がかけられません。

対策としてはテキストを読み込み、問題集で確認する王道の方法となります。暗記項目が多いため、単語カードなどで通勤通学時間などを活用しながら学習していくようにしましょう。

午前試験は基本的に試験時間が足りずに不合格になる人は少なく、純粋に「知っているか知らないか」の問題が出題されます。

暗記が苦手な人は午前試験に苦戦することが多く、隙間時間や単語帳アプリなどを活用し、少しずつ積み上げるように学習していきましょう。

また、午前試験は午後試験の前提知識となっている問題が多く、午前試験から勉強を始めるのが無難です。

基本情報技術者試験を受験する人の中では午後試験で不合格になる人が多く、午後試験の勉強時間もしっかり確保するようにしましょう。

午後試験は問題ごとにある程度出題内容が決まっており、配点も決められています。中でも「データ構造及びアルゴリズム」と個別プログラミングの配点が高く、この二つだけで50点分の配点となります。

2023年度からは試験制度改正に伴い、午後試験の約8割がアルゴリズムとなります。

アルゴリズムはITエンジニアに求められる重要なスキルであり、義務教育過程でのプログラミング必修化などの煽りを受けてさらに注目されている分野です。

午後試験ではアルゴリズムの分野を集中的に勉強するようにしましょう。

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過去問対策をしっかり行う

過去問演習を重視する理由

  • 多くの問題が過去問から出題される
  • 午後試験ではテキストに書かれていない問題も出題される
  • 午後試験では試験時間が足りずに不合格になる人が多い 

基本情報技術者試験は過去問から似たような問題が出題されることが多く、午前試験については半分ほど過去問から出題された回もあります。

他の資格試験と比べても過去問から出題される比率がかなり高く、数年分の問題を解くとどの問題が出やすいのか感覚的に掴むことができます。

過去問を解いていると何度も出題される用語などは必然的に覚えていくことになるため、前回の過去問だけでなく数年分を繰り返し解くことをおすすめします。

午後試験については過去問からそのまま出題されることはありませんが、アルゴリズムなどはその場で理解して回答する問題が多く、試験時間を意識しながら初めて見る問題に正答する訓練を行う必要があります。

午後試験は大問形式で出題されるため、読解力や理解力が問われることが多く、問題演習などでしっかり実力をつけていく必要があります。

もし過去問がない場合は各資格学校等の予想問題を解くことも良いでしょう。

資格学校であればこのような出題傾向等も分析しながら予想問題を作成しているため、1人で勉強していて不安であれば外部講座を活用するのも検討すべきでしょう。

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独学で合格を目指す!

独学合格の秘訣

  • 勉強モチベーションの維持を最優先する
  • 無理のない勉強スケジュールを立てる
  • インプット3:アウトプット7を意識する
  • 午前試験は苦手分野を作らない
  • 午後試験はアルゴリズムを徹底的に勉強する

独学はモチベーションの維持が最優勢

基本情報技術者試験で独学合格を目指す場合は3ヶ月〜1年前後という長期間の勉強期間を自分だけで走り抜けることになります。

長期間の勉強が必要とする資格試験は何より勉強モチベーションの維持が最優先であり、独学の場合はこの点が講座を受講するよりも難しくなります。

これまで長期間勉強したことがある人は、どのように勉強を継続すれば良いか感覚的に理解していると思いますが、初めて挑戦する方は自分のモチベーションを上げる何かを考えた方が良いでしょう。

例えば、週に1回は遊ぶ時間を作る、定期的に旅行のために数日間の休みを入れるなどです。

私の場合はお香やアロマキャンドルといったものを焚き、集中できる空間を演出していたり、友達と遊ぶ予定を優先したスケジュールを作成したりしました。

休みの日などを全て勉強時間に充てるのではなく、遊びの時間も確保し、自分の精神状態を常に健康に保ちましょう。

無理のないスケジュールを立てる

勉強のモチベーション維持を意識しながら無理のない勉強スケジュールを立てます。

無理のないスケジュールというのは「旅行や飲み会などが入ってきてもこなせるスケジュール」という計画です。

もし受験予定日までにこなせないスケジュールになってしまった場合は、受験予定日を後ろ倒しにするようにしましょう。

人間は怠惰な生物であるため、無理のないスケジュールでないと達成することはできません。

この記事を見ている方は学生や社会人の方が多いと思いますので、学業や仕事に支障が出るスケジュールはもってのほかです。

会社などから「この日までに合格するように」という指示がある場合はやむを得ませんが、勉強スケジュールは合格までの肝となる部分です。

勉強スケジュールはインプット3:アウトプット7の割合で立てるようにしましょう。

これは、基本情報技術者試験の特徴であり、過去問演習に時間を割く必要があるからです。

よくやりがちなミスとして、「テキストを一周したらあとは問題集をざっとこなせば受かるだろう」という考え方でスケジュールを立ててしまうことです。このミスは独学で勉強していても不合格になる人の特徴でもあります。

講師などのフォローがない分、自分でしっかり考えて立てるようにしましょう。

午前試験と午後試験の対策を把握する

午前試験対策で意識する点

  • 試験範囲を平均的に勉強する
  • 苦手分野を作らない
  • 得意分野を作らなくても良い

午後試験対策で意識する点

  • アルゴリズムを得意分野にする
  • 苦手分野を作っても良い
  • 新試験制度を把握する

基本情報技術者試験は午前試験と午後試験で試験内容などが大きく異なりますが、初めて勉強する方はこの違いが分からないと思います。

午前試験は試験範囲が広く、基本的な問題が問われます。そのため、午前試験はある程度テキストを読み込み、演習で知識を確認するという勉強法となります。

午前試験対策のスケジュールを立てる時にはテキストを読み込み、暗記する時間を多く取るようにしましょう。

一方、午後試験の場合は大問形式の応用問題が出題されるため、演習に時間をかけて応用力を身につけなければなりません。

そのため、テキストをある程度読み込んだらすぐに問題集に進み、いち早く過去問に進んでください。基本情報技術者試験でつまづく人は午後試験で落ちる人が多く、アウトプット不足の人が大半です。

これらのことに注意してスケジュールを作成しましょう。

もし、独学で勉強していて難しいと感じた場合は外部講座の受講も考えましょう。

中には独学で勉強する時の費用とほぼ同じ金額で受講できる講座もあるため、合格できないと感じた方は一度検討してみてください。

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基本情報技術者試験の講座について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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また、テクニック的な面でアドバイスをすると、午前試験は広い試験範囲を満遍なく勉強し、午後試験はアルゴリズムの分野(「データ構造及びアルゴリズム」と個別プログラミング)を徹底的に勉強すると効率良く点数を取ることができます。

さらに、2023年4月以降に受験を考えている方は新試験制度での受験となり、アルゴリズムが午後試験の8割を占めることになります。

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新試験制度について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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ITエンジニアとしての需要もプログラミングができる人とそうでない人の価値が大きく変わるため、アルゴリズムをしっかり勉強していて損はないでしょう。

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【アルゴリズムを攻略して一気に合格!】基本情報技術者試験のアルゴリズム解説

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難しいと感じたら「午前試験免除制度」を活用しよう

午前試験免除制度とは?

  • 1年間午前試験が免除される制度
  • IPA(情報処理推進機構)の認定講座のみ利用可能
  • 講座修了後、午前試験免除に係る修了試験に合格する必要がある

基本情報技術者試験には「午前試験免除制度」があります。

この制度はその名の通り午前試験が免除される制度であり、IPA(情報処理推進機構)によって認定された講座を受講し、「午前試験免除に係る修了試験」に合格すると利用することができます。

免除期間は1年間であり、短期間で多くの勉強時間が取れない方などには有効な手段と言えるでしょう。

1点注意が必要ですが、このIPAから認定されている講座は意外に少なく、限られた講座でのみ利用することができます。

午前試験免除制度を利用したい場合は、利用できる講座かどうか良く調べてから申し込むようにしましょう。

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午前試験免除制度を利用できる講座について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

基本情報技術者試験で午前免除を受けられる講座はどれ?

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出題傾向と配点を把握して対策を行う

ここまで基本情報技術者試験の傾向と対策を解説してきました。

基本情報技術者試験は試験制度改正が数年置きに行われる資格試験であるため、受験時期によって出題範囲や配点が大きく変わります。

この傾向は移り変わりが激しいIT業界をそのまま表現していると考えられ、これからも時代に合わせて変化していくことでしょう。

基本情報技術者試験の受験生はまず受験日の試験制度はどのようになってるかを確認し、対策する必要があるでしょう。

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2023年度の試験制度改正についてはこちらの記事をご覧ください。

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本記事のまとめ

  • 午前試験と午後試験で勉強法を変える
  • 過去問演習にしっかりと時間を割く
  • 受験日の試験制度を今一度確認する

皆さんが基本情報技術者に合格することをお祈りしています。

  • この記事を書いた人

シズ

簿記・会計×ITのお役立ち情報を配信します! 自分の経験や勉強してきた内容などをもとに更新しています 実績☆ 簿記×会計:日商簿記1級合格、大学対抗簿記大会で全国大会優勝 IT:応用情報技術者試験合格、IT簿記選手権大会FE部門で全国大会準優勝

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