簿記・会計

簿記検定と公認会計士試験ってどれくらい違うの?【日商簿記1級より難しいです】

悩む人
公認会計士になりたいけど簿記検定から勉強した方がいいのかな?

とか

悩む人
公認会計士試験って簿記検定の延長線上にあるの?

という人に対して今回は記事を書いていきたいと思います。

簿記検定と公認会計士試験の違い

簿記検定と公認会計士は以下の違いがあります。

簿記検定 公認会計士試験
試験科目 3級:商業簿記

2級:商業簿記・工業簿記

1級:商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算

短答式試験(一次試験):

財務会計論・管理会計論・監査論・企業法

 

論文式試験(二次試験):

会計学・監査論・企業法・租税法

・選択科目(経営学・経済学・民法・統計学から1科目)

試験日 3・2級:6月・11月・2月(年3回)

1級:6月・11月(年2回)

短答式試験:12月・5月(年2回)

論文式試験:8月(年1回)

合格率 3級:約50%

2級:約20%

1級:約10%

短答式試験:約15%

論文式試験:約35%

勉強時間 3級:100時間

2級:300時間

1級:700時間

短答式試験:1,000~2,000時間

論文式試験:2,500~4,000時間

簿記検定と公認会計士試験の違いは多くありますが、主な違いは

ポイント

・簿記検定は「簿記の知識を一定レベルまで獲得していることを証明する」資格

・公認会計士は「独占業務である監査業務を行うことができる」資格

・簿記検定は試験回数が1回であるのに対し、公認会計士試験は2回

・簿記検定は簿記の計算・理論が問われ、公認会計士は会社法や税法等の法律知識も問われる

・公認会計士になると独占業務ができるようになるが、簿記検定合格者しかできない業務はない

また、公認会計士になるためには下記のすべてをクリアする必要があります。

公認会計士になるためには

・短答式試験合格

・論文式試験合格

・実務経験2年

・実務補修3年

・修了考査合格

また、公認会計士と税理士の違いが分からないという方が多くいますが、一言でいうと公認会計士は「会計のスペシャリスト」、税理士は「税務のスペシャリスト」です。

さらに漠然と「公認会計士は税理士よりすごいんでしょ?」という方もいますが、公認会計士と税理士では基本的に求められる仕事が違います、

そのため、一概に比べることはできません。

公認会計士と簿記検定の試験内容

簿記検定は先ほど述べたように、一番試験範囲が広い1級でも商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算という科目が出題されます。

この4科目は公認会計士試験の財務会計論と管理会計論に相当します。

しかし、公認会計士の財務会計論と管理会計論は日商簿記1級の試験範囲よりも広く、7割は日商簿記1級と被っているが、残り3割は公認会計士にしか出題されない試験範囲となります。

簿記を勉強している方の中には日商簿記1級を合格すれば公認会計士の財務会計論と管理会計論は大丈夫でしょう」という考えを持っている方もいますが、それは間違いです。

簿記検定3・2級は計算・帳簿等の試験が出題されます。簿記1級についてもメインは計算・帳簿等の問題が出題されますが、たまに理論問題が出題されます。

そのため、計算・帳簿等の問題を解くことができれば試験に合格することができます。

一方、公認会計士試験では財務会計論と管理会計論に絞ったとしても必ず理論問題が出題されます。

そのため、公認会計士試験の勉強を始めると計算・帳簿等の問題はもちろんのこと、なぜこのような会計基準になっているのか、なぜこのような会計処理を行うのか、という理論の部分もしっかり勉強することになります。

なぜ公認会計士の試験内容がそのようになっているかというと、公認会計士は「企業の財務諸表をチェックする」業務があるため、企業ごとにどのような会計基準を適用すればよいか、という視点ができる知識を得ていなければなりません。

また、金融証券取引法ですべての上場企業は「公認会計士の監査を受けなければならない」という条件があるため、公認会計士はあらゆる業種の監査を行う可能性があります。

様々な業種の会社について、それぞれどのような会計基準を適用すれば適切か?という視点が必要であるため、理論から勉強する必要があるのです。

公認会計士になりたいけど初学者は簿記検定からやるべき?

公認会計士になりたいけどまずは簿記検定から勉強すればいいのかな?という方がいると思います。

結論から言いますと、いきなり公認会計士から勉強を始めても問題ありません。

しかし、者としては、簿記3級もしくは簿記2級を取得してから公認会計士の勉強を始めることをおすすめします。

なぜなら、公認会計士を勉強するのは数年単位の勉強期間となり、費用も数十万円と高額であるため、簿記検定を勉強することによってそもそも簿記や会計が自分に合っているか確かめるという過程を踏んだうえで、公認会計士へ進んだ方がいいでしょう。

誰も数十万円という高額の費用をドブには捨てたくないですからね…

また、先ほど申し上げた通り、簿記1級は公認会計士の財務会計論と管理会計論の試験範囲と大きくかぶっているため、簿記1級を勉強してから公認会計士の勉強を始めるのはやめた方がいいでしょう。

簿記1級を取りたい方は公認会計士を勉強しながら簿記1級を受験すれば合格することは十分に可能です。

公認会計士試験に合格するには

公認会計士試験は最短でも短答式試験合格まで1,000時間、論文式試験合格まで2,500時間の勉強時間と言われます。

公認会計士に集中して1日8時間勉強し続けたとしても、最短で1.5年はかかるでしょう。

専門学校の公認会計士受験コースでも最短で1.5年のところが多いです。

公認会計士は非常に勉強量が多く、かつ長期間勉強し続ける必要があるため、なかなか合格までたどり着く人が多くありません。

実際に専門学校の公認会計士コースを受講してみればわかりますが、授業初日の受講者数と講座が終了する日の受講者数は明らかに違います。

筆者の場合は受講者数が半分以下になってました…

そのため、筆者は公認会計士という難関試験を戦い抜くためには下記のものが必要だと思います。

ポイント

・数年間勉強する覚悟

・一緒に励ましあえる仲間

・勉強を毎日の習慣に取り入れる

・試験に不合格となってもめげない根性

半分精神論になってしまいましたが…

公認会計士に合格するまで勉強を続けるというのはつらいものが何度もあっても乗り越える力が必要です。

周りが続々とあきらめていく中で勉強し続けるのはかなりの精神力が必要になると思います。

ちなみに、公認会計士の勉強をしていく中で日商簿記1級に合格していれば公認会計士を諦めたとしても事業会社に有利に就職できます。

最後に

公認会計士は独占業務があり平均年収も高いため非常に魅力的な仕事ですが、公認会計士試験に合格するまでかなりの時間勉強する必要があります。

筆者が勉強のモチベーションを維持するときには公認会計士合格後に就職する会社やそこの平均年収をイメージして勉強していました。

公認会計士全体の平均年収でも1,000万円は超えていますので、数年間勉強するだけの価値はあるのではないでしょうか。

ここまで読んでいただいて公認会計士の勉強をしたいと考えている人は下記の記事で専門学校を紹介していますので是非ご覧ください。

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ミスズ

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