基本情報技術者は「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれており、ITエンジニアとしてキャリアを積んでいきたい社会人が多く受験する資格試験です。
情報処理技術者試験のレベル2に位置されており、ITパスポートの上位に設定されています。
情報を利用・活用するユーザーではなく、ソフトウェアを開発したりシステムを設計したりといった、IT企業のエンジニア向けの問題が出題されます。
毎年10万人を超える受験者が存在している資格試験であり、ITに関する市場の伸びに対して人材不足が叫ばれている日本ではさらに価値のあるものとなっているでしょう。
今回は基本情報技術者について、合格した経験を持つ筆者が難易度はどのくらいか?、どのくらい勉強すれば良いのか?ということについて解説していきます。
本記事の内容
- 基本情報技術者の難易度
- 基本情報技術者の勉強期間
- 独学と講座受講それぞれのメリット
- 基本情報技術者の午前免除について
- 2023年4月からの新試験制度について
基本情報技術者の難易度
基本情報技術者の概要
基本情報技術者試験の概要
試験 | 内容 |
午前試験 |
試験時間:150分 出題数:80問 解答数:80問 解答形式:四肢択一 合格基準:100点満点中60点
出題内容 基礎知識や専門知識が問われる内容が多く、簡単な計算問題も出題される 問題の多くが専門用語に関する知識であり、「浅く広く」問われる傾向にある |
午後試験 |
試験時間:150分 出題数:11問 解答数:5問 解答形式:多肢選択式 合格基準:100点満点中60点
出題内容 専門知識に加え、応用力や読解力が問われる問題が出題される 一つ一つの問題のボリュームが大きく、問題文が長い傾向にある 午前試験より深い知識や理解が必要だが、問われる分野がある程度決まっているため、「狭く深い」内容が出題される |
基本情報技術者試験はテクノロジーの知識だけでなく、ストラテジやマネジメントと言った経営や会計の知識まで問われる試験です。
試験分野としてはITパスポートと変わりませんが、より深く広範な範囲を学習することになり、「ユーザー側の試験であるITパスポートの延長線上に基本情報技術者がある」と認識していると少し痛い目に遭うかもしれません。
基本情報技術者試験はプログラミングの問題もありますが、表計算を選択すればある程度避けて通ることはできます。
しかし、試験用のプログラミング言語(疑似言語問題)などは必須問題であるため、勉強しなければなりません。
また、仮に表計算を選択してもマクロなどは疑似言語で記述されているため、結局アルゴリズムに関する勉強を完全に避けることはできません。
基本情報技術者の受験者数と合格率
試験年度 | 受験者数 | 合格率 |
令和3年度 | 85,428名 | 40.7% |
令和2年度 | 52,993名 | 48.1% |
令和元年度 | 121,556名 | 25.7% |
平成30年度 | 111,381名 | 25.6% |
平成29年度 | 105,252名 | 22.1% |
平成28年度 | 99,999名 | 26.6% |
平成27年度 | 101,221名 | 25.8% |
平成26年度 | 100,879名 | 23.7% |
平成25年度 | 101,842名 | 22.5% |
2023年4月からさらに受験しやすくなる
ココがポイント
情報処理推進機構より2023年4月より年2回の試験から通年化するという発表がありました。
これにより、年間の受験回数も増えることになり、より受験しやすく、自分の合格目標を設定しやすくなります。
試験時間も短縮され、選択問題として出題された個別プログラム言語(C言語や表計算)などが廃止され、疑似言語に統一されるなど、試験範囲も少し狭くなりました。
これによりより効率良く勉強でき、合格チャンスが増える資格試験として変貌します。
基本情報技術者に合格するためには
基本情報技術者の勉強期間
変更前 | |
IT関連の勉強をしたことがある人 | 2〜3ヶ月程度 |
IT関連の職種に就いている人 | 1〜2ヶ月程度 |
IT未経験者 | 3〜6ヶ月程度 |
独学か講座を受講するか
基本情報技術者試験はITエンジニアとして働き始めた人が学習することが多いため、就労経験がある人は実務と結びつけながら学習することができるでしょう。
既に実務である程度知識をつけているという人は独学でも十分合格することは可能です。
しかし、実務で学習していない学生の方などは1から勉強する必要があり、ITパスポートを持っていたとしても前提知識がおろそかになってしまう可能性があるため、講座の受講をおすすめします。
なぜなら、IT分野の試験はさまざまな仕組みうや考え方の集合体になっており、前提知識の学習が必要だからです。
独学の場合はどうしても勉強の過程で疑問を抱いても質問できる相手がおらず、しっかりと理解ができない可能性があります。
さらに詳しく
基本情報技術者を独学で勉強する方はこちらをご覧ください
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まずは午前試験を突破できるようにしよう
基本情報技術者試験は午前試験と午後試験に分かれており、午前試験が合格点数に達していなければその時点で不合格になります。
ココがポイント
午前試験で不合格となった場合は午後試験は採点もされません。
午前試験は基礎的な知識を問われ、対策としては広く浅く勉強することになるでしょう。
覚える内容も単語や用語、簡単な計算などが中心となり、時間をかけて何度もテキストなどを周回して勉強することになります。
まずはここを突破することを目標としましょう。
その後は午後試験の勉強となりますが、午後試験については深く狭い知識が問われます。
出題内容もある程度決まっており、選択問題もあるため、ある程度的を絞った勉強方法となるでしょう。
午前免除の講座もある
基本情報技術者試験は午前免除試験というものがあり、特定の講座を受講し、修了試験に合格することによって午前試験の免除を受けられることができます。
午前免除を受けられる講座は限られており、情報処理推進機構から指定を受けた講座のみ適用できます。
社会人の方など勉強時間があまり取れない人ほどメリットがある制度となるため、これから基本情報技術者を勉強したいという人については検討すべきでしょう。
さらに詳しく
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IT未経験者には少しハードルが高い
IT関連の資格に共通することですが、日頃からIT関連に興味を持っていない場合、あまり聞き馴染みのない単語が頻出します。
特にアルファベットやカタカナ語が多いため、拒否感を抱いてしまう方もいるでしょう。
基本情報技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」と言われるほどIT業界では有名かつ備えていなければならない基礎的知識を学習できる資格試験です。
IT人材が不足している傾向はもはや止められない状況であるため、勉強していて損をすることはまずないでしょう。
本記事のまとめ
- IT未経験の人は3〜6ヶ月程度の勉強期間
- IT経験者は独学、未経験の人は講座受講がおすすめ
- 勉強時間があまり取れない人は午前免除を活用しよう
- 2023年4月から通年化され合格しやすくなる
みなさんが基本情報技術者試験に合格することをお祈りいたします。