全経簿記は日商簿記と主催者が違う簿記検定です。
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今回は全経簿記はどのような簿記検定なのかを解説いたします。
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本記事の内容
- 全経簿記の試験概要・受験者数・合格率
- 全経簿記の活用方法
- 全経簿記と税理士の受験資格
全経簿記って何?
ポイント
全経簿記とは全国経理教育協会が主催する簿記能力検定です。
主な受験者層は専門学校生であり、基礎簿記会計・3級・2級・1級・上級があります。
全経簿記上級は税理士の受験資格でもあるため、上級については税理士や公認会計士を目指している方が多く受験する傾向にあります。
”簿記=日商簿記”と思っている人も多いため、知名度は日商簿記の方が高いです。
試験概要
級 | 受験者数(令和元年度) | 合格率 | 試験日 |
上級 | 4,011人 | 約15% | 年2回(7月・2月) |
1級 | 商業簿記・会計学 2,238人
原価計算・工業簿記 2,503人 |
約50% | 年4回(5月・7月・11月・2月) |
2級商業簿記 | 8,287人 | 約50% | 年4回(5月・7月・11月・2月) |
2級工業簿記 | 3,085人 | 約70% | 年4回(5月・7月・11月・2月) |
3級商業簿記 | 23,396人 | 約60% | 年4回(5月・7月・11月・2月) |
基礎簿記会計 | 3,333人 | 約70% | 年4回(5月・7月・11月・2月) |
全経簿記は各級・科目共にすべて100点満点中70点以上で合格となります。(上級のみ1科目でも40点未満であれば不合格となる)
全経簿記初学者の方はまず3級から学習する人が多く、3級→2級→1級と学習を進めていくことになります。
難易度
全経簿記の各級の目安勉強時間は下記のとおりです。
級 | 目安勉強時間 |
上級 | 700時間 |
1級 | 200時間 |
2級 | 100時間 |
3級 | 50時間 |
全経簿記は上級だけ他の級に比べて大きく難易度の差があり、1級から上級に進む時は日商簿記2級合格を通過点とすることをおすすめします。
全経簿記の商業簿記ではそれぞれ想定されている会社の規模の違いによって難易度が設定されています。
級 | 想定されている会社規模 |
上級 商業簿記/会計学 | 上場会社 |
1級 商業簿記・会計学 | 大規模株式会社 |
2級 商業簿記 | 中規模株式会社 |
3級 商業簿記 | 小規模株式会社 |
基礎簿記会計 | 簿記会計学の基本的素養が必要な営利・非営利組織 |
一方、工業簿記については下記のような想定で各級出題されています。
級 | 想定される合格者の能力 |
上級 工業簿記/原価計算 | 経理担当者ないし公認会計士を含む会計専門職を目指す者 |
1級 工業簿記・原価計算 | 製造業の経理担当者ないし管理者 |
2級 工業簿記 | 製造現場の経理担当者 |
全経簿記1級以上はアピールポイントとして使える
ポイント
全経簿記は複数の級が用意されていますが、就職・転職・進学の時にアピールポイントとして主に活用できるのは1級からとなります。
全経簿記1級は日商簿記2級より少し簡単な難易度であり、専門学校生が卒業するまでに取得を目指す方も多いのではないでしょうか?
全経簿記上級については日商簿記1級より少し簡単な難易度であり、難関資格の一つです。
全経簿記上級の受験者層は税理士や公認会計士の卵が多いため、競合する人たちのレベルが高く、その中でも合格率が約15%となっているため非常に難易度が高い試験となっています。
アピールポイントとして簿記の勉強をする人は日商簿記の方が良い
日商簿記は知名度が高く、全経簿記よりも知名度があります。
簿記=日商簿記と考えている人が多く、就職や転職のアピールポイントとして簿記を勉強する場合は日商簿記2級をおすすめします。
日商簿記2級は全経簿記1級より少し難しい程度の難易度であり、中には数か月程度で取得することも可能です。
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全経簿記上級は税理士の受験資格
ポイント
全経簿記上級は税理士の受験資格であるため、多くの人が受験しています。
税理士の受験資格は学識による受験資格・資格による受験資格・職歴による受験資格の3つあり、いずれかに該当していないと受験できません。
資格による受験資格は日商簿記1級もしくは全経簿記上級の合格が受験資格です。
日商簿記1級と全経簿記上級を受験してチャンスを増やそう
税理士を目指している人は日商簿記1級もしくは全経簿記上級の合格をまず目指すと思います。
日商簿記1級と全経簿記上級は共に難関資格として有名であり、短くても半年~1年の勉強期間となるでしょう。
ポイント
日商簿記1級と全経簿記上級はそれぞれ年2回しかないため、どちらも受験してチャンスを増やそう
日商簿記1級と全経簿記上級は試験範囲がほぼ被っておりますが、全経簿記上級は理論問題が出題されることが多いため、その対策は必要です。
しかし、難易度としては日商簿記1級と全経簿記上級はほとんど変わらないため、日商簿記1級が合格レベルであれば全経簿上級の過去問を何度か解けば合格できるレベルまで高められるかもしれません。
ココがポイント
全経簿記上級は税理士の受験資格の一つ
日商簿記1級と全経簿記上級の試験範囲はほぼ被っている
全経簿記上級は理論問題が出題されることが多い
日商簿記の勉強をしながら受験することも可能
全経簿記は主に専門学校生の方が受験することが多いですが、日商簿記を勉強している学生や社会人の方が受験することもあります。
特に全経簿記1級や上級は進学・就職・転職時のアピールポイントとして使えるため、社会人になってからも受験する人が多いです。
また、さまざまな会社での資格手当で全経簿記1級や上級が規程されていることもあり、会社全体で奨励をしている場合も少なくありません。
まとめ
本記事のポイント
全経簿記は主に専門学校生が受験する
全経簿記上級は税理士の受験資格であり、税理士や公認会計士の卵が受験している
日商簿記と全経簿記の試験範囲はほとんど被っている